2016年02月14日 公開
2023年05月16日 更新
自分に合った教材などありません。なぜなら、教材の英文や単語は、自分のニーズとは関係のない、無味乾燥な内容だから。もしそうした教材を使うのならば、音を聞きとって発音を学ぶためなのか、言葉の用例を学ぶためなのか、などといった目的意識を明確にすることが重要です。教材どおりに勉強するのではなく、むしろ役に立つ部分だけを使えばいい。これは、英会話レッスンでも同じです。「今日はこれについて話したい」と自分から学習に対してイニシアチブを取ることが大切なのです。
「海外旅行に行きたい!」と思っているなら、英語がペラペラになるのを待たずに海外旅行のプランを立てましょう。「ビジネスで使いたい」なら、まずオンライン英会話や交流会に参加して、ビジネス英語を経験することをお勧めします。機会がないのは本気で探していないだけ。僕は学生の頃、メール交換をしてくれるペンパルを見つけて“メール留学” したことで、語彙や表現の幅が大いに広がりました。今ならツイッターやFacebookなどのSNS、掲示板でも簡単に会話が楽しめます。
たとえば、日本語の下手な外国人が「貴様は日本の方ですか」と言ってきても怒らないでしょう? 言い間違いも発音の悪さも、初心者のうちはチャーミングで通用します。ただしある程度、流暢になると、相手も「それは失礼じゃない?」という態度に切り替わりますから、自信のない今こそチャンスなのです。ちなみに、外国人には日本人のように「相手に合わせてゆっくりと話す」気遣いはありません。わからなかったら聞き直せるメンタルの強さを持ちましょう。
テレビ・ラジオ英会話からYoutubeまで無料の教材はいくらでもありますが、広く浅くになってしまうと上達には時間がかかります。多少お金はかかりますが、月に1本、海外映画やドラマを借りて何度もリピートして観ることがお勧め。最初は日本語字幕で観て、次に英語字幕で、最後は英語音声だけで。コツは登場人物になりきってセリフを空で言えるぐらいになること。10本観るよりも、1本を徹底的に繰り返すほうが英語は飛躍的に上達しますし、安く済みます。音楽やスピーチでもOK。
取材・構成 麻生泰子 写真撮影 まるやゆういち
『THE21』2016年2月号
西澤氏のホームページのこちら
http://stress-free-english.net/
更新:11月25日 00:05