2015年12月28日 公開
2023年01月12日 更新
SNSで大事なのは実在する人としての信頼
最後に、フェイスブックのメッセージ機能を使ったファーストコンタクトについて申し上げておきます。フェイスブックを利用している相手なら、連絡先がわからなくても連絡できるため、ファーストコンタクトとしては有効な手段です。
フェイスブックでコンタクトを取る際、私が良い印象を抱くのは、最初に「これからお友達申請させていただきます」と送ってから友達申請をしてくださる方です。
そして、何か用件がある場合は、友達としてつながってから、改めてメッセージを使うのです。
相手がこちらの実態を確認できるよう、会社のホームページアドレスを必ず記載しておきます。面談を希望する場合は、パソコンのメールアドレスも記載し、「お手すきのときにご連絡ください」とひと言を添えます。
気軽にメッセージを送り合えるバーチャルな世界だからこそ、「実体がある人」として相手の信頼を得ることが、次につなげるためには重要なことだと思います。
メールや手紙でも「間」を意識する
コミュニケーションは「相手が八割、自分が二割」と言われます。対面の会話ではこれを意識する人が増えましたが、メールや手紙ではまだ意識が薄いように思います。メールや手紙でも相手をイメージしながら、「これは相手が聞きたい内容だろうか」と考えながら書くことが、第一印象をよくするコツです。
人間は「人の間」と書くように、円滑なコミュニケーションには「間」が大事です。メールにおける行間の間、相手のプライベートに立ち入り過ぎない間。この「間」を理解していれば、会う前の第一印象のみならず、ビジネスのあらゆる場面で成功できるでしょう。
【コラム】メールで使える“ひと言”集
「取り急ぎ、用件のみで失礼いたします」
緊急の用件を伝える場合、味気なくなりがちなメールにぜひ添えたいひと言。「用件だけになってしまうことを申し訳なく思っている」と相手を思いやるひと言を入れることで、温かみのあるメールになる。
「お忙しいと思いますので、返信のお気づかいは無用です」
メールをやりとりするなかで、「いつ終えればいいのだろう?」と悩むことがあるが、このひと言があれば、相手は安心してメールを終えることができる。「自分に無駄な時間を使わせないよう配慮してくれている。気が利く人だな」と相手は思うだろう。
「お返事、心待ちにしています」
相手の返事や反応を待っているときに、「お返事をお待ちしています」と伝えるよりも、「お返事を心待ちにしています」と添えたほうが、やわらかな響きでありながら、大きな期待感を相手に伝えることができる。
【コラム】第一印象アップの年賀状活用術
臼井氏は多数のビジネス書の著者として、出版社の担当者宛に年賀状を出すのはもちろん、その出版社の社長にも年賀状を出しているという。もちろん、面識のない社長も含まれる。
社長からすれば、「臼井さんって誰だ?」と思うかもしれないし、社長自身は年賀状を読まないかもしれない。だからこそ、「○○という本でお世話になっております」と書いた後に、必ず相手企業のことに触れたひと言を添えるのだという。
「たとえばPHP研究所さんなら、『私は松下幸之助さんの○○という言葉が好きです』というひと言です。するとかなりの確率で、担当者さん経由でお電話をいただいたり、どこかで社長にお会いする機会があった折に、年賀状のことをおっしゃいます。それで仕事につながったこともあります」(臼井氏)。
たかが年賀状、されど年賀状。礼儀や誠意はつねに見られており、それが良くも悪くも自分の印象を大きく左右するものであることを肝に銘じたいものである。
《『THE21』2015年12月号より》