2015年09月25日 公開
2023年05月16日 更新
良い医師の多くは、取材の依頼があれば丁寧に対応しますから、広告ではないインタビューがテレビや雑誌などによく出ているかどうかは、医師選びの参考にして良いだろうと思います。ただ、あまりに有名な医師だと、初診を受けるまでに数カ月待つのも普通なので、それは覚悟してください。
インターネット上の口コミは玉石混交ですが、ある医師のメディアでの評判が良いのでより詳しく知りたいという場合には有効かもしれません。
こうして良い病院や医師を探し出したら、次は「紹介状」を手に入れましょう。
大学病院を受診するには、原則、紹介状が必要です。なくてもOKという病院でもたいがい5,000円程度が余分に必要になりますし、どの医師に診てもらえるかはわからないということになります。また、人気医師の場合は、紹介状がないと、まず診てもらえません。
患者が希望すれば、紹介状はどのクリニックでも書いてもらうことはできます。しかし、自分の医局と関係ない紹介状を書きたがらない医師もいますし、受け入れる大学病院側の医師も、知り合いの医師が書いた紹介状と、見ず知らずの医師が書いた紹介状とでは、対応が変わる可能性があります。たとえば、部下の医師にまわされる、といったことは、十分にあり得ることです。
そうした事態を防ぐためには、希望する病院や医師とのパイプを持つクリニックを探し出すことが重要です。
そのためには、クリニックのホームページなどに載っている医師の経歴を見ること。出身の大学や大学病院の診療科が目的の医師と一致していれば、同じ医局に所属している可能性が高いでしょう。
また、同じ医局でなくても、顔が広い医師ならば、なんらかのパイプを持っている可能性があります。たとえば、「臨床教授」や学会の「指導医」などの肩書きを持っている医師はかなりの実力者ですから、豊富な医師ネットワークを持っていると見て良いでしょう。
京都大学出身だけれども、今は東京でクリニックを営んでいるというような、自分の出身大学と縁もゆかりもない地域で開業している医師もお勧めです。医局のしがらみがなく、あなたの病気の治療を得意とする最適な医師を紹介してくれやすいのです。私の知る限り、このタイプの医師は、奥さんの実家が開業医で、あとを継ぐために引っ越してきたなどの事情がある人がほとんどです。医局で人間関係のトラブルを起こしたから、というようなケースはほとんどありませんから、ご心配なく。
こうしたクリニックとは、大きな病気が見つかっていないときから定期的に受診して、関係を築いておくと良いでしょう。いざというときの備えになるはずです。
リーズンホワイのホームページはこちら
《取材・構成:杉山直隆》
《『THE21』2015年9月号より》
更新:11月24日 00:05