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評価が低い人の話し方vs.評価される話し方

2015年06月17日 公開
2023年05月16日 更新

野口敏(グッドコミュニケーション代表取締役)

 

<評価が変わる話し方>場面別ノウハウとは

雑談
 ―相手の感情をあいづちで受け止める

上司「 昨日ゴルフに行ったんだけど、ダメだったよ」

評価が低い人「そうですか。スコアいくつだったんですか?」

評価される人「えーっ!? 練習なさっていたのに残念でしたね」

 雑談は、上司とのコミュニケーションのチャンス。ここで重要なのは、「相手の感情を受け止めること」だ。この例で言えば、「ゴルフがうまくいかなかった」という上司の「残念な気持ち」を受け止めて返答すると良い。ここでやってしまいがちな失敗が、スコアや「どこのゴルフ場か」「誰と行ったのか」などの「情報」を問う質問を返してしまうこと。会話の流れによっては悪くないのだが、まずは感情を受け止めるあいづちから入ろう。


報告
 ―一文を短く、結論を先に言う

評価が低い人「 本日15時にA社を訪問し、山田様と打ち合わせをいたしまして、製品の価格については異論がないということになったのですが……」

評価される人「 A社との取引の決め手は、価格ではなくメンテナンスです。なぜならば……」

 上司は忙しいので、手短に結論を知り、対策を考えたいと思っている。そこで、評価される人はまず結論を先に言い、一文を短く切り、明確に伝わりやすい話し方をする。このように簡潔に話すのがうまくできないという人は、まず報告事項を思いつくまま書き出してみよう。次にそれを削って半分の長さにし、また半分に……という作業をし、最終的に2行程度の文にして、それを話してみよう。この「半分にしていく」方法は、言いたいことを明確にしたいときに使えるやり方だ。


営業・接待
 ―上司のタイプに合わせて話し方を変える

 営業や接待など、社外の人との場面に上司と一緒に同席することがある。そういうときは、上司のタイプによって、自分がどの場面でどの程度、何を話すのかを変えよう。上司が苦手な部分を補う働きをし、上司に花を持たせるべきときは必要以上に出しゃばらないこと。具体例は以下のとおりだ。

口下手な上司の場合
営業ならば自分が受付に行って話したり、積極的に雑談をふってみるなどしよう。接待ならば、盛り上げ役を買って出て、上司にも話をふるように。

説明下手な上司の場合
営業では、資料を見せて説明する役を買って出よう。資料を自ら作成し、「今日は私が説明してもよろしいでしょうか」と事前に相談しておけば、上司も安心して任せてくれる。

話好きな上司の場合
この場合は上司のお株を奪うことのないよう、一歩下がってついて行くのが良い。ただし、雑談などには自分も参加して、うまく上司の引き立て役に回ろう。


口グセ
 ―実績や「忙しい」自慢をしない

 評価される人は、自信を持ちながらも謙虚な物言いをすることが多い。仕事を任されたとき、「できません」とはまず言わず、上記のような言い方をするだろう。仮に、実際に仕事を始めてみて、能力が同じくらいだったとしても、印象が随分違うのではないだろうか。また、「私はすごい仕事をしていて忙しい」という自慢をする人ほど、実は評価されない。評価される人は、自慢をしない。他部門の人や周囲を気づかう言葉をかけるのが上手く、社内に敵を作らないのだ。

評価されない人の口グセ

・仕事を任されたら……
 「 無理です」「できません」

・他部門の人に対し……
 「 忙しくて大変なんですよ」「 君たちは楽そうでいいね」

評価される人の口グセ

・仕事を任されたら……
 「 できるところまで頑張りますが、難しい点はご助力お願いいたします」

・他部門の人に対し……
 「 いろいろと苦労があるんでしょうね」


 

著者紹介

野口 敏(のぐち・さとし)

グッドコミュニケーション代表取締役

1959年生まれ。関西大学経済学部を卒業後、きもの専門店に入社。1万人以上の女性を接客した経験からコミュニケーションのあり方に深く興味を抱き、コミュニケーションスクール「TALK&トーク話し方教室」を開校。著書に、シリーズ累計90万部以上のベストセラー『誰とでも15分以上会話がとぎれない!話し方66のルール』(すばる舎)、『[図解]いつでも、どこでも、誰とでも、会話が盛り上がる人の話し方』(PHP研究所)など多数。

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