2015年06月02日 公開
2023年02月01日 更新
プレゼン資料の1ページに複数のメッセージを入れると混乱する。1ページ・1メッセージに止めよう。メッセージを、ページの一番上か下に書くと、わかりやすくなる。プレゼン資料の各ページのそこの部分だけを読んでいけば、プレゼンの内容・流れが相手の頭にスーッと入っていくのが理想だ。
たとえば「IP」という言葉は一般的には「インターネット・プロトコル」だが、「インテレクチュアル・プロパティ(知的財産権)」や「インターナショナル・プロキュアメント(国際調達)」という言葉もある。複数の意味がある言葉は最初に定義づけを。
たとえば、マーケットと市場は同じ意味だが、両方を使って話すと、「マーケットと市場では、何か異なる意味があるのではないか。あえて使い分けているのか」などと思う人が出てきて無用な混乱を招く。一つに絞ろう。
プレゼン資料は、流れるようなストーリーに沿って作られているのが理想形。次のページに行くとき、「次に」「続いて」などの常時使える接続詞でつなぐのではなく、「ところが」「その原因は」などの関連性を示す言葉でつなげれば、わかりやすくなる。
グラフやチャートを説明するとき、いきなりそこから読み取れることを話しだす人がいるが、縦軸と横軸が何であり、どういうグラフなのかをきちんと説明しないと、聞いているほうは理解が追いついていかない。省略せずに説明しよう。
意外と気になるのがポインターや指し棒。小刻みに震えていたり、めまぐるしく動いたりすると、聞き手はイライラする。また、スクリーンを指すときには、聞き手のほうに背中を向けないように気をつけよう。
最初のつかみによって、相手は「聞いてみようかな」という気になる。冒頭の3ページはとくに練習しておこう。最後の3ページも印象に残りやすいので練習を。最初と最後がきちんとしていると、立派なプレゼンに見える。
自信なさそうに話していると、上司や役員などが持つ「いじめっこ気質」を刺激し、容赦のない批評や揚げ足取りが始まる。少々自信がなくても、自信がある素振りで話そう。声は通常の1.5倍張り上げ、カラ元気でもハキハキと勢いよく。
(取材・構成 杉山直隆 写真撮影 まるやゆういち)
<『THE21』2015年5月号より>
更新:11月24日 00:05