2015年05月01日 公開
2023年05月16日 更新
私は普段から、宿泊の際に必要なものをA4サイズくらいの圧縮袋に詰めた「出張セット」を5つほど作ってあります。中に入れるのは、下着類や携帯用の化粧品、コンタクトレンズの保存液など。だから急な出張が入っても慌てることがありません。圧縮袋なら空気を抜けばコンパクトになるので、荷物の量も減らせます。毎回イチから準備する手間もいらないので、億劫な気分にもならず、出張へ行くのが楽しくなります。
衣類を包むとき、私はいつも風呂敷を使っています。飛行機の貨物室は冷気で荷物が湿気がち。吸水性の高いちりめん素材の風呂敷に包んでおけば、湿気対策は万全です。
衣類をパッキングするときは、できるだけシワになりにくい収納法を心がけます。スカーフやニットは、サランラップの芯にぐるぐる巻きつけてからスーツケースにしまうと、畳みジワがつきません。
下着を収納するときは、まずスーツケースの底に広げ、その上に他のものを置いて、最後にものを包むように下着の両端をふんわりと畳むと、シワがつきにくくなります。
さらに、私は必ずスチーム機能付きのコードレスミニアイロンを持っていきます。お客様の前では清潔な服装でいたいので、これがあるとやはり安心です。
ステイバゲージの収納には、縦長のスーツケースやキャリーバッグを使う人が多いようですが、私はリモワの「パイロット マルチホイール」を愛用しています。キャリーバッグより背が低く、正方形に近い形で、かつ四輪なので自分の体の横にぴったり引き寄せてスムーズに歩けるからです。
二輪だと、バッグを斜めに傾けて体の後方でガラガラと引っ張りますが、実はこの姿勢は腰や肩に大きな負担がかかります。「パイロット マルチホイール」はアルミ製で適度な重さがあるため、移動中も安定しやすい点が気に入っています。ナイロン製や布製のキャリーバッグが増えて軽量化が進んでいますが、あまり軽すぎると安定せず、歩行中にバランスを崩すこともあるので要注意です。
荷造りが終わったら、最後に布で包んだ石けんをスーツケースに入れます。一緒に収納した衣類に石けんの香りが移って、出張先でスーツやシャツを身につけたときも気分よく過ごせます。ホテルの部屋に到着後、スーツケースを開けておけば、部屋全体が石けんの香りに。慣れないホテルの部屋でも、普段と同じようにリラックスできます。
私のCA時代の先輩は、茶席で使う懐紙にお気に入りのコロンをつけて、バッグや制服のポケットに入れていました。肌に直接つけるよりもさり気なく香るので、出張先で初めてお会いする人にも好印象を与えることができます。
美月あきこ
(みづき・あきこ)
CA-STYLE主宰/元国際線キャビンアテンダント
大学卒業後、17年間、日系および外資系エアラインにて国際線キャビンアテンダント(CA)として乗務。機内での106万人にものぼるファーストクラス、VIP・乗客への接客において、数々の一流の人々と接する。2004年、ヒューマンリソース開発の会社を立ち上げ、人財育成コンサルタントとして、研修・講演で全国を飛び回る。
著書に『15秒で口説く エレベーターピッチの達人』(祥伝社)など。
更新:11月22日 00:05