2015年06月06日 公開
2023年05月16日 更新
出張が多いと、どうしても普段の仕事が遅れがちになるもの。しかし「達人」と呼ばれる人はどれだけ出張が多くても、スキマ時間にしっかり仕事をこなしてしまう。
「遠方出張でも、普段と同じように仕事をするだけ」という上田渉氏に、その「いつでもどこでも仕事をする技術」について教わった。
今回のお話のテーマは「出張術」ですが、実は私の場合、出張だからといって特別なことは何もしません。仕事のスタイルも鞄に入れて持ち歩く物も、普段と同じです。というのも、私は商談や打ち合わせで外を飛び回ることが多いため、日頃からいつでもどこでも仕事ができるようにしているからです。
いわゆる“ノマドワーキング”が私の基本スタイル。だから宿泊の際は着替えを持っていくくらいで、あとは本当にいつもと変わりません。私にとって出張は、日常の延長なのです。
では、「いつでもどこでも」仕事ができるようにするには、どうすればよいか。以前はそのために多くの物を持ち歩いていましたが、今は「ノートパソコン」「スマートフォン」「充電器」の“三種の神器”だけで十分。以前はタブレットも持ち歩いていましたが、今はスマートフォンで大抵のことは事足りるので、持ち物リストから外しました。
(上田氏の「三種の神器」)
インターネットの接続手段も、前はポータブルWi‐Fiを携帯していましたが、現在はWiMAXとスマートフォンのテザリング機能で対応しています。最近は街中の無料Wi‐Fiスポットも増えましたし、新幹線の中でもインターネット接続サービスが使えるので、わざわざ自分で持ち歩く必要がなくなりました。
技術の進化により、ますますどこでも仕事ができるようになっています。おかげでオフィスにいる時間もますます減ってしまっていますが(笑)。
出張先では仕事がこなせない、という理由として「紙の資料」の問題があると思います。資料を参照しなくては書類が作れず、その書類をプリントアウトしなくてはいけないので、オフィスに行かざるを得ない、ということですね。
そこで必須となるのが、クラウドサービスの活用です。私が使っているのは「Dropbox」と「Evernote」。ここにデータを入れておけば、どこのパソコンでもスマホでも、ネットさえつながっていればいつでも開けます。
私は書類や資料をすべてデジタル化し、「Dropbox」に入れています。これによりどこでも必要な資料を見ることができ、作りかけの資料を開くことができます。
すると、荷物が減るのはもちろん、時間の使い方が変わります。たとえば地方出張の場合、行きの新幹線で資料を完成させ、現地のコンビニのネットプリントサービスで出力、ということも可能になるのです。
私の仕事スタイルの特徴は、「紙類を持ち歩かない」こと。お客様先で紙の資料をもらった場合も、すぐにスマートフォンのカメラで写真を撮り、「Evernote」に保存します。いただいた名刺も同様に保存します。「Evernote」は画像内の文字を検索できるので、あとで資料を見返したいときも、すぐに目当てのものを取り出せて非常に便利。帰りに立ち寄ったカフェや新幹線の中で作業してしまえば、もう持ち歩く必要がありません。荷物を軽くするというのも、出張においては重要なことです。
ちなみに、以前は名刺用のスキャナを持ち歩いていたのですが、今はスマートフォンのカメラで用が足りるので本当にラクになりました。
私の出張のコンセプトは、「どこにいても普段と同じ環境を再現する」に尽きます。新幹線でもカフェでもホテルでも、ネットにさえつながれば、オフィスにいるときと同じ環境が作れる。そうすれば、オフィスと変わらぬ効率や生産性を再現できます。
このような働き方が実現すると、15分や30分といった時間が有効に使えるようになるはずです。たとえば出張報告書を作る場合、カフェで30分かけて下書きをし、帰りの電車の30分で仕上げ、そして帰社したらあとはプリントアウトして提出する。すると、会社でなくてはできない仕事など、ほとんどないことに気づくはずです。
ただ、慣れないうちは外出先で「集中モード」に入るのが難しいかもしれません。そのためのコツを以下、いくつか紹介しますので、参考にしていただければと思います。
更新:11月22日 00:05