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「軽く見られない話し方」4つのポイント

2014年03月26日 公開
2023年01月05日 更新

『THE21』編集部

『THE21』2014年4月号より》

「ビジネスマンとしての経験を積んできているはずなのに、軽く見られているような気がする……」「同じことを言っているのに、自分が話すと、まともに取り合ってくれない……」訪問先で、あるいは社内でも、そのように感じることはないでしょうか。

どうすれば、そんな状態から抜け出すことができるのでしょうか?

 

そこで、『THE21』2014年4月号総力特集[ビジネスエリートの「軽く見られない」話し方]では、4名の創業経営者の方々に“信頼される話し方”の秘訣を教えていただいた。

 

◇松本大氏(マネックス証券社長CEO)
 話したいことよりも相手が興味を持つことを話す   

◇小笹芳央氏(リンクアンドモチべーション代表取締役会長)
 「すごい」「素敵」「ありがたい」と思わせる          

◇井上高志氏(ネクスト代表取締役社長)
 腹落ちさせてから自分の言葉で率直に話す

◇南壮一郎氏(ビズリーチ代表)
 年齢や経験が浅ければビジョンを語ればいい          

 

ここでは、4氏のお話に共通する要点を、改めて整理してみた。

 

【1】話すときの主役は“聞き手”

 大前提として全員が強調するのは、主役は話し手ではなく、聞き手だということ。

 話すことは、それ自体が目的なのではなく、話し手が聞き手に行動をしてもらうための手段だ。リンクアンドモチベーション会長・小笹芳央氏が言うように、100のコンテンツを話しても、そのうちの2つや3つしか相手の頭や心に残らなければ、残りの90以上は意味をなしていない。

 だから、話をしているときは、聞き手の様子をよく観察していなければならないと、マネックス証券社長CEO・松本大氏は言う。そして、聞き手の反応に合わせて、話し方や話す内容を柔軟に変えていく必要がある。

 これができないと、聞き手が話に興味を持つことがなく、真剣に耳を傾けてもらうことができない。

 

【2】話したいことの本質を捉える

 聞き手の反応を観察しながら話すべきだとはいえ、聞き手に翻弄されて「何を言いたいのかわからない」という状態になってしまっては本末転倒だ。

 ビズリーチ代表・南壮一郎氏の場合は、相手に会うと最初に、何のために話をするのか、目的を明確に確認する。そうすることで、相手にムダな時間を使わせないことにもなる。

 誰でも、ビジネスで人に会うときには、「これを話したい」ということがあるだろう。しかし、その本質は、自分でも正しく捉えられていないことがあるのではないか。ネクスト社長・井上高志氏がかつてした失敗では、インターネットによって「不動産業界にどう寄与できるか」が話の本質なのに、「インターネットの革新性」が本質だと誤認していた。ほんとうに伝えたいことを確認しておきたい。

 

【3】相手に伝わる言葉を選ぶ

 同じことを話すにしても、聞き手が持っている視点や知識、経験などによって、伝わりやすい言葉と伝わりにくい言葉がある。どういう言葉が相手に響くのかを考えなければならない。

 小笹氏や井上氏が勧めるのは、たとえ話をすることだ。聞き手がよく知っている事柄になぞらえて説明をすることで、興味を持ってもらいやすくなり、理解もしてもらいやすくなる。

 南氏も、相手が属している業界に置き換えて、自分がしようとしている事業を説明し、イメージしてもらいやすいようにしてきたという。

 松本氏も同様で、講演会の場合でも、どのような人が来るのかを確認し、聴衆に合った話し方をするという。これを繰り返すことで、どういう人にどういう話し方をすれば、どのように理解されるのかがわかってくる。

 

【4】伝えたいという熱意を持つ

 以上のように話し方を工夫しても、話したことが100%聞き手に伝わるということはない。聞き手の頭や心に残るのは一部だけだ。

 しかし、だからといって、話し方を鍛える訓練に意味がないわけではない。むしろ、だからこそ、少しでも多く伝わるようにするために訓練が不可欠なのだ。松本氏の囗から出た言葉の

ように、「絶対に伝えようと思って話しても伝わらないのだから、ダメモトで話して伝わるわけがない」のだ。

 今回、ご登場いただいた方々は、いずれも自ら起業し、協力者や顧客を獲得して、会社を大きくしてきた実績を持つ。それは、自分が持っているビジョンを人びとに伝えたいという熱意があったからこそできたことだ。熱意を欠いた技術だけでは、軽く見られてしまうだろう。

☆総力特集・第2部では「スタートで差がつく『初対面』の技術」と題して、軽く見られない具体的なノウハウを紹介しています。


<掲載誌紹介>

2014年4月号

<読みどころ>「ビジネスマンとしての経験を積んできているはずなのに、軽く見られているような気がする……」「同じことを言っているのに、自分が話すと、まともに取り合ってくれない……」訪問先で、あるいは社内でも、そのように感じることはないでしょうか。どうすれば、そんな状態から抜け出すことができるのでしょうか?今月号の特集では、自らメッセージを発信して協力者や顧客を得てきたビジネスプロフェッショナルの方々に“信頼される話し方”の秘訣を教えていただきました。

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