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大企業がなぜ倒産? 貸借対照表に隠れた「お金の出どころ」のカラクリ

太田朝子(経営アドバイザー)

大企業がなぜ倒産? 貸借対照表に隠れた「お金の出どころ」のカラクリ

なぜ大企業でも倒産するのか。その答えは、貸借対照表の見方にある。会社の“持ち物”と“お金の出どころ”をやさしく解説してもらった。

※本稿は、太田朝子 著『売上が下がっても利益が増える 会社のお金の残し方』(日本実業出版社)の内容を一部抜粋・編集したものです。

 

貸借対照表を例えると?

貸借対照表は、「利益」とは別に、「今この瞬間、会社に何が残っているか」を見る書類です。日々の経営の結果が、今どんな形で残っているかを示します。学校でいえば、「今の机の中の持ち物リスト」です。

学校の机の中にはいろんな物が入っています。教科書やノートのように自分の物もあれば、図書室から借りた本や、友達から借りたマンガも入っています。

当然、借りている物は返さなくてはいけません。

そこで、「自分の物」と、「借りている物」がひと目でわかるように整理すれば、返すときもスムーズになります。

会社の貸借対照表もまったく同じ仕組みです。貸借対照表を見れば「今、会社にどんな財産(資産)がある」のか、そしてその財産は返さなくてもよいお金(純資産)でそろえたものか、あるいはいつか誰かに返さなくてはならないお金(負債)でそろえたのかが、わかります。

左側に「現金、在庫、土地、機械などの会社の持ち物」が並び、右側にその持ち物をそろえたお金の出どころが示されています。つまり「今の持ち物」と、その「出どころ」をペアで確認できるのが貸借対照表なのです。

【図解】貸借対照表のイメージ

 

お金と経営状況のトリック

ここで気をつけたいのは、「持ち物が多い会社=優秀な会社」ではないという点です。持ち物が少なくても、返さなくてもよいお金でそろえていれば健全な会社です。

逆に、持ち物がどんなに多くても、そのほとんどが借りたお金で買ったとなると...。そう、返せなくなった瞬間に「ゲームオーバー」です。

だから、大企業でも倒産するのです。「あれだけ大きな会社なのに、なぜ?」というニュースの裏には、借りた物でパンパンの机が隠れていることが多いのです。

なお、少々専門的な話になりますが、ここで忘れてはいけないのが「在庫(まだ売っていない=まだ使っていない物)」や「前払費用(家賃や保険料など、先に払って、あとから使うお金)」という持ち物です。

貸借対照表に載るこれらの金額は、製造原価報告書や販管費内訳書の数字から決まります。

つまり、貸借対照表もまた、この2つの書類と切っても切れない関係にあるのです。

プロフィール

太田朝子(おおた・あさこ)

経営アドバイザー

年商4億円の中小企業で借金10億円を10年で実質ゼロにした元取締役経理部長。立教大学法学部卒業後、フリーの研修講師として企業や大学で登壇。2010年に嫁ぎ先の部品加工会社に入社。当時の会社は、リーマン・ショックの影響で、10億円以上あった売上が半分以下に激減。「借金10億円」「純利益率−24%」「自己資本比率7%」の瀕死の状態。経営・経理の知識ゼロから、請求書やレシートを1枚ずつ洗い直し、埋もれていた会社の実態を数字でつかむ。数字と現場の両面から再建を進め、売上は4億円台のまま、コロナ禍に借金を実質ゼロに。会社を退く2024年には「純利益率11%」「自己資本比率45%」まで成長。経営とは「会社の真実を見つめること」、経理は「経営の土台をつくる司令塔」、個人は「幸せを感じるためにお金を使おう」をモットーに、企業と個人向けに「仕分」のノウハウを伝授中。

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