
Z世代は、仕事を「負担」ではなく「成長の機会」と捉えている。
※本稿は、北 宏志 著『新しい任せ方の教科書 Z世代の部下が動き出す全技術』(ぱる出版)の内容を一部抜粋・編集したものです。
一定数のリーダーの方から「部下がネガティブな感情を持つのではないか」と懸念する声が上がります。これは、リーダー世代にとって当然の反応です。
なぜなら、自分たちが仕事を「面倒」で「負担になるもの」だと考えて仕事をしてきたから。だからこそ、部下に仕事を任せることを躊躇してしまうのです。
ところが、Z世代の若者たちは違います。彼らは仕事を負担だとは思っていません。
むしろ、彼らにとって仕事は「新しいスキルを身につけられる大きなチャンス」であり「大切な成長の機会」なのです。だからこそ、「キャリアにつながることにはどんどんチャレンジしたい」と考えています。
上司がそんな若者たちの考えを理解せず、「負担になると思われたくないから仕事を任せない」というスタンスのままでいては、永遠にミスコミュニケーションが続きます。これでは、双方にとって良いことはまったくありません。
新卒で入ったIT系企業を2年足らずで退職し、第二新卒として入社した物流業で営業職を務めるCさん。私がこの企業の人材育成をお手伝いさせていただいているため、Cさんとも月に一度、1on1面談をしています。初めての1on1面談で目標設定について話をしていると、彼はこんなことを言いました。
「最初に入った会社は1年経っても新人扱いで、ちっとも仕事を任せてもらえませんでした。もちろん迷ったり、失敗したりすることもあるかもしれませんが、自分でできる、やってみたいと思う仕事をする機会が与えられなかったことが不満で、退職したんです」
新卒1年目であれば、上司やリーダーが手取り足取り指導をしながら少しずつ業務に慣れ、できることを増やしていく期間です。
1年を通じて指導をすることで、定期的な業務と不定期の業務のどちらも経験することができます。そして2年目は、1年目で学んだことをいよいよ発揮する時期。そのはずが、そうではなかったことが、Cさんの不満につながりました。
皆さんは「パープル企業」という言葉をご存じですか。これは働きやすいホワイト企業でありながら、働きがいのないブラック企業である会社を指しています。Cさんが勤めていた企業は、まさにこのパープル企業だと言えます。
多くのリーダー世代の方たちは、仕事に対するネガティブなイメージを捨てられないまま、Z世代の部下たちに接してしまいます。すると、適切に仕事を任せることができず、却って部下たちのフラストレーションを増幅させてしまいます。繰り返しお伝えします。
Z世代の若者たちは、キャリアにつながる仕事にはどんどんチャレンジしたいと考えています。そのことを改めてしっかりと認識しましょう。
その一方、仕事を任せる際、気を付けるべき点もあります。それは、何でも任せればいいというわけではないこと。重要なのは〝キャリアにつながる〞という点です。
部下から見て無駄だと感じる仕事は、任せられれば任せられるほど、不満につながってしまう危険もあります。その代表格が、何となく継承されているアナログな業務でしょう。
最初からデジタルが当たり前のZ世代にとって、無駄が多く感じるアナログな業務は、任せられたところで迷惑でしかない。そのことも念頭に置いた仕事の任せ方が必要になります。
更新:10月02日 00:05