
これまでいくつものコミュニティに属してきた嶋村吉洋氏。嶋村氏の考える、コミュニティの原型とは何か。氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』(プレジデント社)より解説する。
※本稿は、嶋村吉洋著『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』(プレジデント社)より内容を一部抜粋・編集したものです。
私が24時間365日、ずっとコミュニティの拡張をしてきた理由は、子どもの頃に夢中になった「鬼ごっこ」を思い出していただくと、わかりやすいかもしれません。
公園で鬼ごっこを夢中になっている子どもに、「どうしてそんなに頑張っているの?」と聞いたとき、「鬼ごっこを頑張って社長になるんだ!」と答える子はいないと思います。たぶん、その瞬間が楽しいから、ただ鬼ごっこをしているだけなのでしょう。ほかに目的があるわけではなく、「面白いからやる」、それだけなのだと思います。
私がコミュニティづくりをしてきたのも、多くの仲間が私のコミュニティに集まっているのも、同じことです。
鬼ごっこを楽しんでいると、仲間がどんどん増えて、公園が手狭になることもあるでしょう。そうなったら、みんなでお金を出し合って、もう一つ新しい公園をつくればいい。遊具が古くなったら、みんなで新しいものを選んで買い替えればいいのです。
鬼ごっこで汗をかいたら、「スーパー銭湯があったら便利だよね」とみんなで投資してつくってみるのもいいかもしれません。お腹が空いたら、レストランをつくるのも一つの方法です。
鬼ごっこをしていた子どもが大人になり、今度は自分の子どもを育てるようになったとしても、やっぱり鬼ごっこは続けたい。それなら、隣に託児所をつくるのもありだと思います。
こんなふうに、仲間と「もっと楽しもう」と思う気持ちが、「コミュニティ×ビジネス」になり、「社会資本」「人的資本」「金融資本」を手に入れるという目標につながったのです。
私たちは、何か大きな目的のために、皆で我慢しているわけではありません。外から見ると、「このコミュニティは一体何をしているのだろう?」と思われるかもしれません。
実際、あまりにもいろいろなビジネスに取り組んでいる人がいるので、何の集まりなのかわかりにくいと感じる人もいるでしょう。
でも、本質はとてもシンプルで、「コミュニティづくりが面白い!」と感じる人たちの集まりなのです。
現在、ビジネスモデルの寿命はどんどん短くなり、流行のサイクルも加速しています。法人の平均寿命も、日米で20年ほどと、以前より短くなっているようです。また、消費者の関心は移ろいやすくなり、新たな商品やサービスもすぐに飽きられてしまう傾向が強まっています。
大会社ならともかく、小さな会社や個人事業では、何度も失敗する余裕はありません。一度失敗すると、再起までに時間がかかることが多いと思います。
しかし、コミュニティで始めるビジネスの場合、前述したように、最初は「内部消費」、次に「リファラル(紹介)」、「一般売上」という流れで、仲間が支えてくれます。
コミュニティ内で十分なテストマーケティングを行うこともできます。たとえ最終的に撤退することになっても、リスクはかなり抑えられます。コミュニティのアシストがある分、再起も早いのです。
法人の寿命は約20年とも言われてきましたが、今や大会社でさえ時代の変化から逃れることは難しくなっています。
これまでも建設業界や電気業界では再編が続いてきましたが、今やその波は自動車業界などの基幹産業にも及んでいます。
こうした状況の中で、会社に人生を預けることは、どう考えてもリスクが高い選択なのではないでしょうか。
有名企業に勤めていたとしても、いつ業績が悪化し、会社が解散に追い込まれるかわかりません。そのとき、誰かがあなたを支えてくれる保証はあるのでしょうか。
その点、コミュニティを基盤にしていれば、たとえ失敗しても、死ぬまで一緒に活動を続けられる可能性が高いです。
自分が関わっているビジネスがうまくいかなくても、コミュニティのどこかには成功しているビジネスがあります。メンバーが増えれば、まるで巨大な財閥のようにリスクを分散できるのです。
ある企業が拡張し、衰退する。
ある技術が流行り、陳腐化する。
あるビジネスモデルが世の中を席巻し、衰退する。
そんな中で、変わることがない価値を提供するのがコミュニティなのだと私は確信しています。私はコミュニティこそが世界で最も価値のある資産だと感じています。
更新:04月16日 00:05