
ビジネス書を中心に、1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。これまで約4,100冊の書籍をご紹介してきました。
本記事ではフライヤー編集部が、特にワンランク上のビジネスパーソンに読んでほしい本をピックアップ。今回は「『疲れない人生』を設計する」をテーマに、選りすぐりの3冊をお届けします。

「しっかり寝ているはずなのに、疲れが取れない」。
その違和感に気づきつつも、気合いで乗り切っている人は少なくないでしょう。『休養学』(片野秀樹/東洋経済新報社)は、疲れが抜けない原因を、単なる忙しさや年齢ではなく、「休養の捉え方」にあると指摘します。
本書の特徴は、「休養=寝る・何もしないこと」という思い込みを覆す点にあります。睡眠や栄養といった基本的な休息に加え、心身の活力を高めるための"攻めの休養"が必要だという考え方は、多忙なミドル世代にとって示唆に富むものです。
著者によれば、"攻めの休養"には4つの条件があります。それは「自分で決めた」「仕事とは関係ない」「成長できる」「楽しむ余裕がある」こと。ただ休むのではなく、あえて適切な負荷をかけることで、活力は回復していくのだと説きます。
その具体例として挙げられているのが、7つの休養タイプを組み合わせるという発想です。たとえば、自分のためにスープをつくる行為。具材を選び、手を動かす時間は「造形・想像タイプ」の休養にあたり、体を温める食事は「栄養タイプ」にもなる。さらに、家族と一緒につくれば「親交タイプ」としての意味も加わります。一つの行動が複数の休養を同時に満たし、効率よく活力を与えてくれる——その視点が、休養の捉え方を大きく変えてくれます。
頑張り続けることが美徳とされ、努力を惜しまず働いてきた世代だからこそ、今後は休養を戦略的に考える視点が欠かせません。本書を読んで、自分に合った"攻めの休養"をデザインしてみてはいかがでしょうか。

集中力の低下や気分の落ち込みを感じている人に、ぜひ一度手に取ってほしいのが『運動脳』(アンデシュ・ハンセン、御船由美子〔訳〕/サンマーク出版)です。
本書が伝えるのは、運動は体づくりのためだけの行為ではなく、脳の回復に直結する手段であるという事実です。著者は、ストレスや集中力・創造力の低下、気分の落ち込みといった不調の背景には、脳のコンディションがあると指摘します。そして、その改善策として最も確実なのが有酸素運動だと、数多くの研究をもとに説明しています。
ここで重要なのは、「激しい運動は必要ない」という点。運動の価値は量や強度ではなく、「脳に刺激が届くかどうか」が重要であり、たった5分のウォーキングでも確実に意味があるといいます。仕事前に少し遠いコンビニまで歩く、帰宅時に遠回りする、エレベーターではなく階段を選ぶ。そんな小さな行動を、「健康のための投資」として生活に組み込むことが、結果的に大きな差を生みます。
完璧な運動習慣をつくろうとする必要はありません。少し体を動かすことで気分が整い、「また動きたい」と感じられる状態をつくること。そのサイクルこそが、本書の示す運動の本質だと言えるでしょう。
運動には、想像以上に多くのリターンがあります。コストも時間もほとんどかからないにもかかわらず、脳と心の調子を底上げしてくれるのです。効率のよい健康習慣を探している人にとって、本書は心強い指針となるでしょう。

身の回りに、同世代でありながら、なぜかいつも元気で活動的な人はいないでしょうか。『体力おばけへの道』(澤木一貴、國本充洋〔監修〕/KADOKAWA)は、その違いを生まれつきの才能ではなく、日常の積み重ねによって説明します。
著者は体力を、「行動体力」と「防衛体力」の2つに分けて捉えます。前者は動く・支えるといった日常動作を維持する力、後者は回復力や免疫力、ストレスへの耐性。どちらも特別な能力ではなく、日々の生活の中で少しずつ育てていけるものだと説きます。
本書で紹介されるのは、1日30秒から始められる運動や、「動かない時間を減らす」という発想です。著者オリジナルの「イージーHIIT」は、椅子から立ち上がる動作を繰り返す「スタンドアップ」、衰えやすい機能を効率よく刺激する「バックステップ」、リズムよく体を動かす「リズミカルジャンプ」の3つで構成されています。
短時間でありながら、行動体力と防衛体力の両方に働きかけられる点が特徴です。ハードな筋力トレーニングや長時間の運動を前提としないため、これまで運動習慣がなかった人でも現実的に取り入れやすい内容と言えるでしょう。
体力づくりという言葉に身構えてしまう人も少なくありません。しかし本書は、それを「未来の自分への投資」と捉え直します。同時に、運動しない生活は「病気になりやすい体」を無意識のうちに育てている状態だという指摘にも、重みがあります。
多忙や年齢を理由にあきらめる前に、まずは無理のない一歩から。「体力おばけへの道」は、その入口を示してくれる一冊です。
更新:02月04日 00:05