2024年03月05日 公開
2024年07月23日 更新
投資と聞いて、まず頭に思い浮かべるのは株や投資信託だろう。しかし、証券会社と銀行に勤めた金融のプロが選んだのは不動産投資だった。その後10数年で早期リタイアを実現し、さらに今は親子でも実践中──そんな内田裕樹氏の体験談をご紹介しよう。(取材・構成=坂田博史)
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【内田裕樹】
1966年生まれ。広島大学総合科学部卒業後、山一證券に入社。97年に同社が自主廃業し、中堅銀行に転職。43歳のときに不動産投資を開始し、都心の中古ワンルームマンションを中心に買い進め、その後、アパートや戸建ての経営にも着手。2019年には仕事をしなくても生活ができる「経済的自由」を獲得。2022年、異動の打診を機に56歳で銀行を早期退職。著書に、『元金融マンが明かす 資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!』(アーク出版)がある。
1997年、勤務先の山一證券が自主廃業。中堅の銀行に転職するも、「将来への不安は消えなかった」という内田裕樹氏。そこで資産運用に興味を持つようになり、株式投資を始めたのだが......。
「証券会社勤務時代に、株式投資については、基本的な理論はもちろん、銘柄分析の方法なども全般的に学びました。証券アナリストとして、個別銘柄の分析・評価記事などを書いていたこともあります。それで自分でも株を買ってみたんです。
しかし、うまくいきませんでした。いざ自分が投資するとなると、どうしてもいらぬ感情が邪魔をして、記事を書くときのような冷静さが失われてしまうのです。また、株価の上下動が気になって精神的なストレスを感じることも多く、『自分には向かない』と判断しました」
そんな内田氏が興味を持ったのが不動産投資だった。
「38歳のとき、新築ワンルームマンションへの投資の広告をたまたま見て、セミナーに行ったことがあります。不動産投資に興味はありましたが、まだ勉強不足で、そのセミナーでも何を質問したらいいのかさえわからない状況でした。
唯一できた質問が『新築で買うと価格は下がっていきますよね。将来的にどんなふうに下がっていくのですか』。それに対して、『価値は下がりません』との答え。
えっ、そんなはずはないと思いながらも、プロが下がらないと言うのなら下がらないのかもしれない。そう思ったぐらいです。
その後、マンションの中古価格をインターネットなどで調べてみると、価格は下がっていました。そう言えば、『価格』ではなく『価値』は下がらないと言っていたなと気づき、自分はあやうく騙されるところだったのだと遅まきながら理解しました」
この一件で不動産会社への警戒心が強まり、不動産投資を一度はあきらめる。ただ、「中古不動産への投資ならうまくいくのではないか」という考えを捨てきれず、不動産投資に関する知識の習得は継続していた。
「5年ほど経ったある日、新聞に中古ワンルームマンション投資に関する本の広告が出ていました。それを買って読んでみると、私が『こうなんじゃないか』と漠然と考えていたことが体系的にわかりやすく解説されていたんです。
これは信用できるかもしれないと思った私は、著者である重吉勉氏が社長を務める日本財託のセミナーに申し込みました」
不動産会社への警戒心はまだあり、恐る恐る行ったそのセミナーで大きな気づきを得る。
「講演を行なった先輩投資家と話す機会があったので、色々な質問をしていると、その先輩投資家は5年前に投資を始め、すでに7戸を所有しているとのこと。
5年間足踏みをしていた自分と、経済的自由に向けて着実に歩んでいる先輩投資家との差の大きさに気づき、愕然としました。同時に、これはすぐに始めなければと思ったのです」
しかし、実際に不動産を購入するまでにはさらに数カ月を要したという。
「営業担当者から物件情報が送られてくるのですが、どうしても買う踏ん切りがつきませんでした。購入後のシミュレーションは精緻に行なっており、どれを買ってもうまくいく可能性が高いことは頭では理解している。でも、もともと超慎重派の性格のため、どうにも気持ちがついていかなかったのです。
そんなとき、休日に新宿に行ったついでに日本財託のオフィスに寄ってみると、担当者の上司が応対してくれました。そして私が不安に思っていることを話すと、突然の訪問にもかかわらずじっくり話を聞いてくれたのです。長い時間寄り添ってくれたことで不安が和らぎ、ようやく購入する決心がつきました」
そうして43歳のとき、東京・杉並区の中古ワンルームマンションで不動産投資を開始。その後4年間で10戸も購入する。
「経済的自由を獲得することがゴールでしたが、それでは抽象的なので、『10年で借入れのない10戸のオーナーになる=毎月の手取り収入60万円』という目標を私は立てていました。
購入まで時間をかけてしまったこともあり、1戸目を買った翌月に2戸目、その翌月に3戸目と矢継ぎ早に購入しました。少しでも早く資産形成ができればと考え、決断したあとは早かったと思います」
実際に投資を始めてからは、予定通りに進んだのだろうか。
「購入前から厳しめに条件設定したシミュレーションを繰り返していたこともあり、想定以上の結果が出ました。このエクセルで自作したシミュレーションは、繰り上げ返済金額を入力すると、将来の数値がどう変化するかがわかるようになっています。
そのため、繰り上げ返済をすると経済的自由の達成時期が早まるのをリアルに実感でき、それが繰り上げ返済やそのための節約のモチベーションになりました。
そうした結果、ほぼ10年で家賃月収が約150万円(家賃年収は約1800万円)となり、50代半ばで早期リタイアを実現することもできました」
不動産投資に時間をとられるなど、仕事に何らかの悪影響が及ぶことはなかったのか。
「2棟のアパート経営もしているのですが、こちらは想定外の様々なトラブルが起きます。それに対して、中古ワンルームマンションへの投資では、これまで印象に残るようなトラブルを経験したことはありません。
物件の管理は日本財託に委託しているので、手間もまったくと言っていいほどかかっておらず、仕事への支障はゼロでした。私の中では『ほったらかし投資』という感覚です。
あえて欠点をあげるとすれば、資産が増えるまでに時間がかかること。ですから、中古ワンルーム投資における唯一最大の失敗は、買えなかった5年間のロスです。もう5年早く始めていたら、経済的自由を手に入れられる時期を5年は前倒しできたでしょう。
ただそう思う一方で、あのとき騙されて新築を買っていたら......と思うと、これで良かったのだと思います」
また最近、20代のお嬢さんも不動産投資を始めたそうだ。
「娘が就職して2年ぐらいたったとき、投資信託を始めようと思うと相談されました。そのとき初めて私が不動産投資を行なっていることを伝え、興味があるなら説明するよと言ったのがきっかけです。
手堅い東京の中古ワンルームマンション投資なら、投資初心者の娘であっても失敗しようがない。自らの経験からもその確信があったので、安心して勧めることができました。娘にも早く経済的自由を手に入れてほしいと願っています」
↓より詳しい話を知りたい方は必見(内田裕樹氏とそのご長女も登壇します)
更新:11月21日 00:05