不動産投資で成功するためには、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。「不動産投資の教科書」編集部シニアエディターの依田泰典氏が、不動産会社と営業マンを選ぶ際のポイントを解説します。
※本稿は、『THE21』2023年9月号特集「インフレ時代の「お金」の新常識」より、内容を一部抜粋・編集したものです。
不動産投資で失敗しないためにはどんな点に気をつけたらいいのか?
「不動産投資の教科書」編集部シニアエディターの依田泰典氏に話を聞くと、開口一番、こんな答えが返ってきた。
「『パートナー選び』が最も重要。優良物件を探す前に、信頼できる不動産会社と営業担当を見つけるべきです」
まず「都内の中古ワンルームが得意」「地方や一棟物件も扱っている」「管理に力を入れている」などの特徴を見極める。そして自分の希望と合う会社に連絡を取り、できれば直接訪問してみるべきだという。
「実際に面会をしてみると、会社の雰囲気や営業担当の服装やふるまいなど判断材料が増えます。ただし、きれいなオフィス・身だしなみの整った営業担当というだけで信頼できるとは限りません。
こちらの投資目的や将来設計などについてしっかりと話を聞き、それに合った提案をしてくれるかどうかがポイントです。
そのうえで、この業界で通算5年以上働いた経験があり、宅地建物取引士の資格を持っている人であれば経験や知識の面である程度信用できると思います。その営業担当自身が不動産投資をやっている人ならなお良いでしょう」
取引金融機関もその会社の信頼度を見極めるポイントだ。
「昨今、この業界では上場企業であっても不適切な販売をしたことで退場するケースが出ています。金融機関は不動産会社との提携に慎重になっています。ジャックスやオリックス銀行をはじめとした複数の金融機関との取引がある会社は比較的安心です」
もちろん、物件の管理もしっかり確認しておきたい。
「物件を販売するだけでなく、賃貸管理も実施していることが前提です。専門業者にすべて丸投げ対応している会社ですと管理が行き届かず(例えば、部屋の退去後のチェックを社員がしっかり行なっていないなど)、次の入居付けに苦労することもあります」
購入したい物件が出てきたら、「重要事項調査報告書」を見せてもらうべき、と依田氏。
「これは管理会社が、管理費の滞納や修繕積立金の積立状況、大規模修繕を含めた修繕の履歴など、建物全体に関する重要項目を記載したもの。自動車の『整備記録簿』のようなものです」
これをチェックすることで、管理の仕方や修繕の状態、滞納問題の有無も確認できるという。購入決定前に必ず確認しておきたい書類だ。
そして、「決してすぐに決めずに、複数の会社、複数の営業担当に会って、焦らず検討したほうがいい」と依田氏は力説する。
「優良物件は販売開始後数時間で売れてしまうことがあります。しかしどんな優良物件でもすべての投資目的をかなえる万能な物件であるとは限りません。
周囲で不動産投資に詳しい人に聞いてみたり、セカンド・オピニオンを活用しながら、自身の投資目的やライフプランに合った物件を探していくことが大切です」
(『THE21』2023年9月号特集「インフレ時代の「お金」の新常識」より)
更新:11月22日 00:05