2023年08月04日 公開
2024年12月16日 更新
今年4月にIR誘致が正式に決定し、雇用の創出とともに人口の増加が期待される大阪。特に市中心部は、「東京の半額」程度で「東京より家賃がやや安い」程度の物件を手に入れられる魅力的なエリアだ──。そう語る(株)リンクスの毛利英昭社長に、「大阪」のマンション投資に関する素朴な疑問をぶつけてみた。(取材・構成:林 加愛、写真撮影:小西咲乃)
【毛利英昭(もうり・ひであき)】
(株)リンクス代表取締役。ファイナンシャルプランナー。1972年福岡県生まれ、京都府育ち。立命館大学経済学部卒業後、金融業界、大手マンションディベロッパーを経て、2009年に独立。FPの立場から不動産投資セミナーや個別相談会を行ない、手がける物件は大阪市内中心部のワンルームマンションに特化。管理する物件の入居率は99%以上を維持し、購入物件の紹介・リピート率は8割を超える。
――(株)リンクスが投資用マンション事業を展開されている大阪は、かつてない活況にあるそうですね。
【毛利】はい。大阪の人口は目下急増中で、特に市中心部の6区(北区・中央区・福島区・西区・浪速区・天王寺区)の伸びは顕著です。西区は今後約30年で、約26%伸びるとの予測もあります。
――その背景には、何があるのでしょう。
【毛利】一つは、現在進行中の都市開発です。JR大阪駅北側エリアの「グラングリーン大阪(うめきた2期)」の再開発では新駅をはじめ、商業施設やオフィスやマンションが造られつつあります。また、2025年には大阪・関西万博が開催予定。さらにはこの4月、IR(カジノを含む統合型リゾート)誘致が正式決定しました。
――さらなる発展で、不動産投資の気運も高まりそうです。
【毛利】IR誘致決定以降、当社への問い合わせが激増しています。その多くは、すでに大阪で不動産を持つ方の「リピート」か、あるいは「東京でマンション投資をしているが、大阪にも興味が出てきた」という方。つまり、大阪の魅力に「ひと足先に」気づいている方々と言えるでしょう。
――リンクスが主に取り扱うのは、単身者向けの「中古ワンルームマンション」ですね。
【毛利】はい。単身者向け住宅の需要は、特に増えると予測されます。試算によると、IR誘致により、新たな雇用が9~10万人生まれるとのこと。そのうち、単身者は少なく見積もっても1割以上。つまり、およそ1万戸のワンルーム需要が発生するわけです。
――入居者と投資希望者、双方の需要が増しますね。
【毛利】そうです。実を言うと今すでに、物件の供給がやや追いついていない状況です。当社は中古を主軸としていますが、この状況下では、手放そうとする方も少ないですね。
新築の供給もほとんど期待できません。ディベロッパーからすると、同じ広さの土地なら、ワンルームマンションを建てるよりビジネスホテルを建てるほうが儲けが見込めるからです。
――では、今から投資に参入しようとしても、手遅れ......?
【毛利】いえ、今ならまだぎりぎり間に合います。
大阪の活況は「始まったばかり」です。IRの完成は早くても2029年。こうしたプロジェクトはだいたい遅れるものなので、2030年頃になるだろうと考えると、まだ7年あります。一方で、2年後の万博で大阪の可能性にさらに多くの方が「気づいてしまう」のも確実ですから、今のうち......向こう1~2年のうちに買うのがベスト、とも言えますね。
少ないとはいえ、売却する方もゼロではありません。例えば相続を機にお子さんが現金化を望まれたり、節税対策で所有されていた方が定年後にその必要がなくなって手放されるケースもあります。
――IR決定で盛り上がっている今が購入価格のピーク、なんてことはありませんか?
【毛利】確かに不動産価格は上がっていますが、今が天井ということは考えにくいです。むしろ今のうちに買っておけば、7年後は売却益を得るチャンスがくる、と私は考えています。
また、投資家たちが実際の価値以上に不動産価格を釣り上げていったバブル期と違い、今の不動産は住居としての実需が増えています。ですから、家賃も上がっていくはずです。
――数ある在阪の不動産会社の中で、リンクスの強みはどこにあると考えられますか?
【毛利】仕入れについて言えば、地元の不動産業者とパイプを作ることによって、供給が少ない中でも優良な物件を扱うことができています。私のSNSやYouTubeを見て直接売りたいというご連絡をいただいたり、お客様から売りたがっている人がいるというご紹介をいただくこともあります。
また、小規模な会社なので、物件の一戸一戸に目が届きやすいことも当社の強みです。例えば空室の管理は全件、私自身が行なっています。不動産賃貸会社と毎週会議を行ない、空室の理由を分析し、改善すべき点を改善してから募集をかけます。物件総数が多い大手企業では、そのような対応は難しく、おそらくは家賃を下げて手を打つ、という流れになるはずです。
しかし、当社では極力下げません。逆に、家賃を少しずつ上げていくことに注力します。家賃が上がると家賃収入が増えるだけでなく、転売時の物件価格も大幅に上がるからです。細かい計算は省きますが、今の大阪の中古物件では家賃が3000円上がれば、物件価格がおよそ100万円上がります。
ですから、仮に空室になっても、長い目で見ると家賃を安易に下げるべきではないし、「下げない管理会社」を選ぶのが吉です。加えて、「管理費が安い会社」を安易に選ぶのも避けたほうが良いでしょう。
当社の管理費は月々3000円台と決して安くはありませんが、それだけ手厚いフォローができます。エアコンなどの設備が壊れたときには、土日も含めて翌日までには対応できる体制を整えるなど、オーナー様にはもちろん、入居者様にも迅速でることによって、供給が少ない中でも優良な物件を扱うことができています。
購入されたお客様の紹介・リピート率が約8割と高いのは、そうした姿勢を評価していただけているからだと思います。
――ところで「高く売れる」ということは、買うときもやはり高額に?
【毛利】物件価格は上がってきていますが、東京に比べればまだまだ断然お得です。東京なら4000万円のマンションが、2000万円で買えます。しかも家賃相場は東京より「やや安い」程度なので、高利回りです。
また、大阪はまだキャパシティがあります。当社では、前述の「中心6区」+新大阪エリアの物件に特化して取り扱ってきましたが、最近は大阪環状線の内側に加えて、外側1~2駅まで範囲を広げています。
外側と言っても、内側まで自転車で10分程度。このエリアは面積で言えば、東京の山手線内の約半分。利便性はもちろん、観光都市としての魅力が凝縮されたエリアで、徒歩か自転車で回れる範囲内に、多彩なスポットがある「コンパクトさ」も大阪の魅力です。
――行きたい、住みたい街になるのもうなずけます。とはいえ遠隔地にいたまま「買う」となると......。
【毛利】そう、知らない街の不動産を買うのは確かに不安ですね。そんな方々にはぜひ、一度大阪に来て、街の様子を感じていただきたいです。リンクスでは、無料で泊まれるゲストルームも用意しています。多くの方々に大阪の「今」と「将来性」を確かめていただき、チャンスをつかんでいただきたいと、心から願っています。
更新:03月14日 00:05