私の出会ってきた大富豪は、ほとんどが「時間=命」と捉えています。それは商談や会議といったビジネスシーンでは、間違いありません。
一方で、彼らの独特な時間感覚は、趣味や余暇に対しても、いかんなく発揮されます。ビジネスシーンとは完全に真逆で、何かに急ぐこともなく、とにかく時間をワガママに使っているのです。
スイスに住んでいる友人の資産家ハンスも、以前、真面目にこう話してくれました。
「私のいる世界には、時間貧乏という考え方がある。たとえお金持ちであっても、1年に何カ月か連続で休暇を取れない人は、労働者マインドであり、時間貧乏なのだ」
なかなか休みの取れない日本人の私たちにとっては悔しいものの言われ方ですが、実際にFIRE(経済的自立と早期リタイア)を達成することができれば、きっとハンスのような時間感覚を得られることでしょう。
そう言えば、海外を歩いていて、面白いことに気付きました。
日本人は休みが短いせいなのか、色々体験しようとせわしなく動き回っています。ですが、日本に来た海外の富裕層は、リゾートでも1カ月以上滞在するのが普通なので、テラスで本を読んだりプールサイドで日光浴していたりします。
ドバイモールのタクシー乗り場でも、タクシー待ち行列のほとんどは白人のセレブリティでした。待っている間もゆっくりと家族で会話を楽しんでいて、日本人のように元を取らなくてはと、急ぎ足で観光していないのです。
そもそも欧米人と日本人では、「休暇」や「余暇」という時間感覚が全く異なるのでしょう。
ドバイやギリシャのサントリーニ島などの観光地に行ったときも、高級なホテルになるほど、滞在している客達はホテルでゆっくりしているだけで何にもしていないのです。プールに行っても、特に泳ぐこともなくプールサイドのデイベッドで、心身を休めています。
もっと言えば、資産構築して「億り人」になることができていれば、わざわざ混んでいて値段も高い週末や大型連休に、旅行に行かなくても良いでしょう。時間をワガママに、自由に使えるようになれば、快適で余裕のある旅行ができます。
私はたくさんのケタ違いのお金持ちと会ってきました。
その結果、一般人である自分がお金持ちになるためには、完璧に彼らのマネをするのが一番の近道だと気付きました。
お金持ちを目指す際には、一度「時間貧乏」になってはいないだろうか?と、自分自身の時間の使い方を顧みる機会があってもよいのかもしれません。
【戸塚真由子(とつか・まゆこ)】
資産構築コンサルタント。超倹約家の家庭で育った反動で、「お金持ちになる」が小さい時からの夢になる。公務員として勤務した後、民間に転職し、月収800万円を稼ぐ凄腕営業となる。しかし「高収入=お金持ち」ではないことに気付き方針転換。婚活もかねて世界38カ国を行き来し、アメリカ、ドバイ、スイス、アブダビ、モロッコ、モナコ、フランス、イタリア、台湾などで活躍する世界中の大富豪やVIPとの太いパイプを作る。資産家と3回結婚するも、それぞれ離婚を経てバツ3に。ある時、現在の投資の師匠に出会い、資産・収入ゼロからたった3カ月でFIRE達成、4カ月で資産1億円になる。その教えを広めて「1人でも多くのFIREを達成」させるべく資産構築のコンサルティングを行う。
指導した生徒の74%以上を、資産ゼロや3000万円以上のカードローン地獄といった状況から生還させる。口コミで話題となり、海外からの受講者も多数。現在は1年以上のキャンセル待ちに。2022年末に発売された、著書『1年で億り人になる』(サンマーク出版)がわずか4カ月で7万部を突破、2023年注目のベストセラーとなっている。
更新:11月22日 00:05