ここまで相模原市の魅力を挙げてきたが、大きな街なのにいま一つイメージが湧かない...その印象の薄さはいったいなぜなのか。その要因をいくつかの方向から考えてみたい。
【要因1】「相模」が広すぎる
相模市の「相模」は、かつての「相模の国」からきているのは言うまでもない。ではその相模の国はどこを指すかというと、現在の横浜市の一部と川崎市を除いた神奈川県全域に当たるという。
現在の相模原市はもちろん、小田原市や三浦半島も「相模の国」に含まれていたので、「相模」から現在の相模原市の場所をイメージできないのはある意味仕方がないのかも。
【要因2】「相模」がつく駅が多すぎる
相模原市は首都圏南西部の核となる街であり、都心への通勤・通学者も多いため、電車をはじめとした交通網はじゅうぶんに発達している。それもあって名前に「相模」が付く駅も多く、8つもある。
・相模原駅(JR横浜線)
・小田急相模原駅(小田急線)
・相模大塚駅(相鉄線)
・相模大野駅(小田急線)
・相模湖駅(JR中央本線)
・さがみ野駅(相鉄線)
・相模沼駅(伊豆箱根鉄道)
・相模金子駅(JR御殿場線)
さがみの駅は海老名市、相模沼田駅は南足柄市、相模金子駅は足柄郡の駅で、やはり「相模」の示す範囲の広さがここにも表れている。
加えて、相模原市で最も乗降客数の多い駅は「橋本駅」であり、市を代表する駅に市の名前がないところも、相模原市のイメージが固定しづらい要因かもしれない。
【要因3】「中心地」のない街
相模原市には「緑区」「南区」「中央区」という三つの区があるが、それぞれ、橋本駅(緑区)、相模大野駅(南区)、相模原駅(中央区)という中心地を持っている。国が定める中心市街地法という法律でも、橋本、と相模大野という、2つの都市核が認められている数少ない都市である。
加えて、市の真ん中を横切るように国道16号線が走っており、ロードサイドには数多くの店舗が軒を連ねている。日常の買い物やレジャーは郊外で十分事足りるため、商業施設が一か所に集積しづらい。
人口72万人を超える大都市なのに明確な中心がない、ということも、相模原市イメージのつかみづらさにつながっていると思われる。
2027年のリニア中央新幹線の新駅開業までに、ますます注目を集めること間違いなしの相模原市。訪れてみれば、日本の明るい未来が見えるかもしれない。
更新:12月22日 00:05