2022年07月13日 公開
高価格の商品やサービスを扱っている企業は、顧客への商品説明の機会が必要になるので、営業やマーケティングにオンラインセミナーは特に有効です。
高単価の商品やサービスを扱っている企業でも、参加費は無料か低価格に設定し、オンラインセミナーを「参加者から本気度の高い人たちを絞っていく場」と考えたほうがよいでしょう。
そこで興味を持ってくれた方々に、クロージングの場として、さらに詳細な個別説明会などを開くと、商品を購入していただける可能性も高くなります。
前述しましたが、とかくオンラインセミナーは参加者の多寡に目を奪われがちです。しかし、参加者が数人しかいなくても、契約や購入に結びつく率が高ければ、そのセミナーは成功だと言えます。
つまり、人数よりも、狙っているターゲット層の人たちを絞り、その方々により濃い情報を届けるほうが、はるかに重要なのです。ターゲットを絞っていくことで、同じ課題を持っている人を集め、その解決策を具体的に提案しましょう。
オンラインセミナー自体をビジネスにするのはかなり難しく、営業やマーケティングの手段の1つと割り切ったほうがよいと思います。
しかしもし、収益目的でオンラインセミナーを実施するなら、全5回、全10回など、回数の多い講座にする方法が考えられます。
オンラインは、オフラインと比較して、受講者にとって講義内容が頭に入りにくいというデメリットがあります。また、単発では、受講者同士の交流の時間がないなど、受講者の満足度が低くなりがちです。
でも回数が多くなれば、内容理解も進みますし、参加者同士の関係もある程度構築できます。回数を増やすことで、オンラインのデメリットを減らすことができるのです。
逆に、オンラインセミナーのメリットは、移動する必要がないため、東京で複数回開催されるセミナーであっても、地方から参加できる点。
オンライン特有のデメリットを開催回数で打ち消し、メリットのほうを大きくすることができれば、ビジネスにすることが可能になります。
実際、様々な大学で、数十万円の複数回のオンライン講座がいくつも開催されており、私も参加したことがあります。
時間をつくって現地に行く必要がなく、教室なら後ろに座っていると見えない前方のホワイトボードも画面を通してよく見えるなど、内容の満足度も高く感じました。
皆さんもオンラインセミナーの特性を理解し、それぞれの目的に応じたオンラインセミナーを成功に導いてください。
【高橋龍征 たかはしたつゆき(conecuri〈同〉代表)】
早稲田大学第一文学部哲学科卒業。(株)CSK(現・SCSK(株))で営業、経営企画に従事後、早稲田大学大学院にてMBA 取得。ソニー(株)やサムスン電子での事業開発マネジャー等を経て独立。2020年、学びとコミュニティを創造するconecuri(同)を設立。年間200講座を企画、コロナ後はオンラインで100回のセミナーを実施した知見をnoteで継続的に発信している。著書に『オンライン・セミナーのうまいやりかた』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
(※『THE21』2022年8月号特別企画「ワンランク上のオンライン配信・セミナー術」より)
更新:11月22日 00:05