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「集客ばかりお金をかけたオンラインセミナー」が失敗に終わる理由

2022年07月13日 公開

高橋龍征(conecuri〈同〉代表)

高橋龍征 オンラインセミナー

会社でオンラインセミナー開催を予定したものの集客が思うようにいかず、自社の社員を動員して何とか形にできた──などという経験はないだろうか。

年間200件以上のオンラインセミナーの開催やプロデュースを行なっている高橋龍征氏は、「ただ集客を目的とするオンラインセミナーはコスパが悪い」と断言する。そんな高橋氏に、成果をあげるオンラインセミナー開催のコツを伺った。

※本稿は、『THE21』2022年8月号特別企画「ワンランク上のオンライン配信・セミナー術」より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

オンラインセミナーが失敗しやすい意外な理由

企業がオンラインセミナーを開催する際に、何百人も参加者を集める大規模なものを単発で開催することがよくあります。集客のために著名人をゲストに呼び、デザインや動画作成などにもお金をかけます。

その結果、確かに何百人もの参加者を集めることには成功するかもしれません。しかし、こうした大規模セミナーが、コストに見合った成果を出しているかと言えば、そうとは言えないのではないでしょうか。

何百人も参加者を集めたけれど、実際の商品購入につながったのは数人、数社といった結果であれば、それはセミナーとしては失敗です。

こうした失敗の最大の理由は、セミナーの「目的」が明確になっていないから。顧客が商品やサービスを購入するまでの過程は、「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」の4つに分けることができます

セミナーの目的も、「多くの人に認知を広げる」ためなのか、興味・関心を持ってもらい、比較・検討に進んでくれそうな「潜在顧客を獲得する」ためなのか、購入の可能性が高い「購買層へのクロージング」のためなのか、大きく3つあります。

こうした目的を設定すると共に「ターゲット」と「ゴール」を明確にしなければ、費用対効果は測定できません。ターゲットは、認知が目的であれば不特定多数になりますし、潜在顧客の獲得が目的なら、興味を持つ参加者のみに絞る必要があります。

ゴールは、具体的な目標数値のことで、人数や契約数、売上金額などを設定することが必要です。

 

セミナーの規模は目的に応じて

認知だけが目的なら大規模セミナーも有効かもしれませんが、目的を明確にした開催を目指す企業にお勧めなのが、小規模なオンラインセミナーをコンスタントに開催すること。

例えば、株式投資型のクラウドファンディングを行なっているA社は、月に4~5本のペースで1時間のオンラインセミナーを開催しています。

A社はオンラインセミナーの目的を自社サービスにおける「新規の無料登録者数を増やすこと」と明確に設定。1回当たりの聴講者は数十人程度ですが、コンスタントにセミナーを開催することで、登録者数を1000人以上にまで増やし、目的を達成できています。

また、小規模セミナーの定期的な開催には、少人数、少額、短時間ででき、ノウハウが溜まっていくというメリットもあります。

セミナーを開催するに当たっては、企画、イベントページの作成、情報の拡散、事前準備、当日業務の遂行、参加者フォローといったオペレーションが必要です。

この一連の流れをパターン化できれば、非常に効率的にセミナーを開催できるようになるのです。例えば、告知ページや概要説明の文章などを定型化すれば、必要な部分を修正するだけなので短時間で作れます。

運営チームの役割分担を明確にし、相互理解が深まれば、さらに効率的なセミナー開催が可能になります。

企業のオンラインセミナーでは、目的を明確にし、業務負荷を下げたライトなセミナーをコンスタントに開催することが成功への近道です。

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