2021年03月09日 公開
2023年02月21日 更新
――消費者インタビューも同様だ。関係性のない相手から商品の購買動機を聞き出すのは至難だが、成功すれば貴重な情報となる。
「『商品Aが商品Bほど売れない理由を探る』というインタビューをするとしましょう。そのとき、相手の答えをそのまま受け取ってはいけません。『商品Bのほうが安いから』と答えたからといって、『商品Aも価格を下げれば売れる』と考えるのは早計です。消費者自身でさえ、商品Bを選んでいる本当の理由に気づいていないことが多いからです」
――消費者は、価格や品質、ブランド、販路といった複数の要素を組み合わせて、総合的に判断し、購買行動を決めている。したがって、多面的に情報を聞き出すことが必要だ。
「『安いから』という答えを聞いて終わらせるのではなく、『では、商品Aがどのくらい安かったら買いますか?』と重ねて聞く。『商品Aの価格で、もしこんな機能も加わっていたらどうでしょう?』と、別の要素と組み合わせることも必須です。
『商品Aは近くのお店に置いていないから』『長年、商品Bを使うのが習慣になっているから』といった理由で商品Bを選んでいる人も多いものです。
様々な要素を組み合わせて質問を重ねることで、『言われてみれば』という本当の理由に到達できます。ですから、予断は禁物。仮説を立てることは大事ですが、それに引きずられてはいけない。バイアスなく実像を捉える力も、質問力の一部なのです」
更新:11月22日 00:05