2021年02月26日 公開
2023年02月21日 更新
仕事も家庭もあるビジネスパーソンにとって、資格試験の勉強は簡単なことではない。
いったい、どうすれば合格へと早くたどり着けるのか? 資格予備校の講師も務め、勉強法についての著書もある公認会計士の尾崎智史氏に聞いた。(取材・構成:林 加愛)
ビジネスパーソンにとっては、勉強する時間をどう確保するかも重要な問題です。
手堅いのは、集中できる時間帯や場所を見つけて、そこで勉強すると決めてしまう方法ですが、コロナ禍でそれは難しくなりました。
以前は「自宅では集中できないからカフェで勉強する」という人も多くいましたが、今はカフェなどの公共空間で長時間過ごすことに抵抗を覚える人も多いでしょう。
「ここなら集中できる」「ここでないと勉強できない」という考え方は、残念ながら、変える必要があります。
「勉強はいつでもどこでもできる」というマインドセットを持ちましょう。
そして、一番安全な場所である自宅を勉強しやすい環境にすること。
ベッドやテレビが視界に入らないようにしたり、机の上をきちんと片づけたり、スマホの着信音をオフにしたり、といったことです。
次に、スキマ時間を活用すること。
例えば、自宅のトイレやキッチン、洗面所などの壁に暗記事項を書いた紙を貼っておけば、どこにいても勉強できます。
移動時間でも同様です。電車に乗っている間はもちろん、ホームでの待ち時間、スーパーやコンビニのレジに並んでいる数分間でも勉強はできます。
英単語帳をめくるのもいいですし、スマホを使って電子書籍のテキストを読んだり、講義の動画を観たりすることもできます。
便利なツールを大いに使うことで、コロナ禍による環境の変化に対応しましょう。
加えて行なうべきは、「やらないことリスト」作りです。普段の行動の中で、試験に合格するまで止めてもいいと思うことをリストアップしましょう。
まず、「映画を観に行く」「飲みに行く」「好きなドラマを観る」などなど、「やりたいこと」や「やっていること」をすべて書き出します。
そして、それらに優先順位をつけ、優先順位が低いものから「やらないことリスト」に入れていきましょう。
資格への挑戦は一つのプロジェクトです。そこに向けて何らかの犠牲を払えば、より決意も固まるというものです。
一方、優先順位の高いものは、勉強と両立できる方法を検討しましょう。楽しいことをすべて削ると気持ちが沈んで、スタミナ切れを起こす可能性があります。
家庭と同居しているなら、勉強を始める段階で家族に決意表明をすることも忘れずに。難関であればあるほど、家族の協力が不可欠です。
「当分の間、家族で遊びに行ったりできないけれど、皆で応援してほしい」と伝えて、家族にプロジェクトに参画している意識を持ってもらえれば理想的です。
更新:11月24日 00:05