2021年01月11日 公開
2023年02月21日 更新
新型コロナウイルスの感染拡大、そして、それに伴うリモートワークの普及によって、顧客と直接会って営業活動を行なうのが難しくなった。そこで増えているのが「リモート営業」だ。しかし、対面営業との勝手の違いに戸惑っている人が多いだろう。うまいリモート営業のコツとは?(取材・構成:池口祥司)
※本稿は、『THE21』2021年1月号(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
コロナ禍によって、営業職が置かれた状況は一変しています。新型コロナウイルスの感染防止の観点から、また、顧客がリモートワークに移行したことにより、物理的に対面しての営業が難しくなったのです。
アポイントから商談、場合によってはクロージングまで、メール、電話、リモート会議などで行なう必要に迫られることになりました。
そこで、より重要性を増しているのが、訪問を必要としない営業である「インサイドセールス」です。ただ、本来の意味でのインサイドセールスを導入するためには、全社的な組織改革やシステム構築などが必要です。
そこで、ここでは非対面で行なう営業活動全般を「リモート営業」と呼び、私がデルコンピュータ、マイクロソフト、グーグルなどでインサイドセールスの仕組み作りに関わってきたことで得た知見を活かしながら、その方法についてお話ししたいと思います。
コロナ禍によって営業の現場に起こった変化の最たるものは、「できる営業職」像ではないでしょうか。
これまで「できる営業職」とされていたのは、根性・勘・経験の「3K」を備え、義理・人情・プレゼントの「GNP」で営業をするような人たちでした。
言語化するのは難しいですが、ある種のオーラを身にまとい、一度相手と対面すればすぐに打ち解け、懐に入り込んで話をまとめる――。そんな能力を持っているベテラン営業職が、どんな会社にも一人や二人はいたものです。
しかし、この能力は、対面でこそ発揮されるものです。
「できる営業職」は、相手の言葉だけでなく、ちょっとした表情や仕草も敏感に捉えて、それに適切に反応することに優れています。
ところが、TeamsやZoomといったウェブ会議システムを使った商談では、相手がカメラをオフにしてしまうことがよくあります。
すると、相手が関心を示しているのか否か、納得しているのか否かなどを読み取るのが難しくなります。
また、商談時間にも変化が生じています。これまでは1度の商談で1時間ほどの時間がもらえたので、雑談から入って、お互いの胸襟を開いてから、本題に入ることができました。
しかし、オンラインになったことで、商談時間が半分の30分に設定されるケースが多くなっています。そのため、いきなり本題に入らなければならなくなり、これまでのような「その場の人間力」で勝負するのが難しくなっているのです。
更新:11月22日 00:05