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出向前に本社で記念撮影する社員……「会社への片思い」を今すぐ捨てるべき理由

2020年08月24日 公開
2023年02月21日 更新

大塚寿(エマメイコーポレーション代表取締役)

じぶん商店とはドラッカーの「パラレルキャリア」と同義

別に起業をしなくても、自分のことを一つの「商店」であり、その「経営者」だという意識を持つだけで結構です。すると、現在の「株式会社〇〇の課長」といった自分の肩書すら、自分の稼ぎ口の一つに過ぎないことがわかります。一つの稼ぎ口にすべてをかけるのは、経営ではご法度です。では、どのように稼ぎ口を増やすか。副業をするか。週末だけ起業してみるか。さまざまな選択肢が生まれるはずです。

これはまさに、ドラッカーが説く「パラレルキャリア」に他なりません。ドラッカーは著書『明日を支配するもの』で、これからのビジネスパーソンは本業以外の仕事を持ったり、NPO活動などに従事したりして、「パラレルキャリア」を実現することが不可欠だと説いています。

言い換えれば、会社の名刺以外に「2枚目の名刺」を持つ、ということです。

私の周りの会社員にも、この「2枚目の名刺」を持っている人が数多くいます。週末のみレストランを経営している人、平日の夜を中心にセミナー講師として活躍する人、書籍やブログの著者として人気を集める人、など。

こうした人は、会社から裏切られても、過剰に落ち込むことはないでしょう。さらにいえば、本業以外の活躍の場から得られた広い視点は、必ず本業にも生きるはずです。

実は企業経営者である私ですら、2枚目の名刺があります。先輩の立ち上げた「営業サプリ」というオンライン研修会社の社員の名刺を持っているのです。

会社のために「滅私奉公」する世代と、自分を優先する世代のはざまに位置する40代は、会社との距離の取り方を迷いがちです。しかし、会社のために全力を尽くせば一生面倒を見てもらえる時代はとっくに終わっています。あなたの「片思い」になっていないか、会社との関係をぜひ、見直してみてください。

 

会社の「副業禁止」には、どこまで従うべきなのか?

先ほど、会社人間から脱却するためには「2枚目の名刺」を持つことが大事だと述べましたが、その一番わかりやすい例が「副業」でしょう。私はぜひ、40代になったらあらゆる人に「副業」を手がけてほしいと考えています。

最近は副業を解禁する企業も増えてきていますが、「うちの会社はまだ禁止」というところも多いでしょう。しかし、就業規則をよく読んでみてください。実際には「副業の禁止」というより、「本業に影響を与えないようにする」「同業他社では働いてはいけない」といった「副業の制限」に近いものも多いのではないでしょうか。

ちなみに私は自分の研修で、現役ビジネスパーソンに話をしてもらうことがあり、些少ながら御礼を支払っています。あとで「副業をした」と指摘され迷惑をかけると悪いので、その人の属する会社の上司や人事に、事前に許可を取るようにしています。

その際、いつも言われるのは、「副業がOKかどうかは内容次第」ということでした。例えば、「キャバクラなどで働くのはNGだが、研修講師ならOK」という具合です。これが、会社としての落としどころなのでしょう。

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