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SNSを24時間監視、掲示板もパトロール…企業や学校の「ネットのトラブル」に挑む企業

2020年08月12日 公開
2020年08月12日 更新

江戸浩樹(アディッシュ代表取締役)

 

社内新規事業でスタート、蓄積したノウハウが強み

当社の前身は、2007年に、ソーシャルメディア事業を手がけていたガイアックス内で立ち上げた新規事業です。

それまで私は同社でコミュニティサイトの企画開発に携わっていたのですが、当時、SNSをきっかけにした犯罪が社会問題化していたことから、ネットの負の側面を感じていました。

そうしたトラブルを防ぐサービスがあれば、社会的にも意義があるのではないか――。そんな思いから、インターネットモニタリングを社内の新規事業として提案し、事業リーダーとなって立ち上げたのです。

当時はまだ同業他社が少なく、サービスに対する認知度も低かったため、開始当初は低空飛行が続きました。スクールガーディアンも、先行事例がないことから、なかなか浸透しませんでしたが、09年に東京都江東区教育委員会に自治体として日本で初めて導入していただいてから徐々に浸透していきました。

ガイアックスには事業リーダーが申請すれば事業を子会社化できる制度があったことから、その制度を使って、14年に独立しました。今は同業他社も出てきましたが、売上げは毎年右肩上がりで伸びています。

当社の強みは、インターネットのコミュニケーショントラブルに対応するノウハウを蓄積していること。リスク投稿や問い合わせ急増など、どんなパターンにも対応できます。それを踏まえ、効率良くモニタリングできるシステムを独自開発しました。

書き込みを確認し、判断するスタッフの質を高めるために、人材育成プログラムも整備しています。未経験の人でも、2~3カ月学べば、貴重な戦力に育ちます。そのため、数十人のスタッフが必要な大型案件も受け入れることが可能です。

もっとも、まだ満足しているわけではなく、今後も継続的にシステム開発やプロダクト開発などに投資したいと考えています。そうした研究開発費の調達が、上場した一番の目的です。

 

新型コロナの影響でネットに変化が生じている

近年、インターネットのコミュニケーショントラブルを取り巻く環境が変わってきていることを感じます。

以前は、炎上と言えば、一部の著名人や企業だけのものでしたが、今ではどの企業でもすぐに炎上するリスクがあります。

また、新型コロナウイルスの影響も出てきています。以前は異物混入など大きくいえば品質に対しての炎上が多かったのですが、今は「自粛期間中なのに営業している」というような、いわば企業の「姿勢」に対するものが増え、企業の経営スタンスにユーザーが敏感になっていると感じます。

それに伴って、当社が活躍できる裾野は広がっていると言えます。

従来とは異なるコミュニケーショントラブルにも応えられるよう、自分たちの強みをしっかりと伸ばしていこうと考えています。

当社のミッションは「つながりを常によろこびに」。ネット上のつながりから生じる課題を解決することで、皆が安心・安全にネットを使いこなせる。そんな情報社会を作る一翼になりたいと思っています。

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