2020年03月16日 公開
2024年05月29日 更新
多くの会社は、かなり感覚的な採用をしています。最終的に何名採りたいかという数値目標はあっても、そこに至るまでの進捗管理は曖昧です。最終目標を達成するには、採用活動のプロセスを分解し、全体を俯瞰したシナリオを設定して戦略的な採用を行う必要があります。
具体的には、採用の入り口となる「初回接点」から出口となる「内定承諾」までの流れを数値化して管理します。私はこの管理手法を「採用パイプライン」と名づけています。最終的な数値目標から逆算して、「内定承諾が10人なら、その前の『内定通知』は20人に出す必要がある」「だったら、その前の『最終選考』には30人は必要だ」などと、プロセスごとに数値目標を設定します。
これらの数値は、前年度のデータや実績などの客観的事実に基づいて設定してください。もし前年度は内定通知が20人、うち内定承諾は5人だったのであれば、歩留まりは25%。今年の内定承諾の目標が10人なら、逆算すると25人に内定通知を出す必要があります。
自分の会社に明確な採用基準がないなら、こちらも今すぐ設定すべきです。ただし、多くの要件を盛り込みすぎると、該当する応募者も少なくなります。大事なのは、「先天的/後天的能力」を分けて考えること。そして、入社後の教育で後天的に伸ばせる能力は、思い切って採用基準から外しましょう。
例えば「コミュニケーション能力」は、入社後の教育で伸ばせる能力の代表格です。しかし前述の通り、日本企業の多くが採用で最重要視しています。入社後に伸ばせる能力にこだわって、本来なら自社で活躍できたはずの人材を逃しているとしたらもったいない話です。
更新:11月24日 00:05