――そう考えると、サウナは諸刃の剣のようなものですね。
【早坂】そうですね。でも、正しい入り方をすれば、健康への効果は絶大です。
まず、血中の二酸化炭素や疲労物質が洗い流されて、新鮮な酸素や栄養素が身体の隅々に行き渡ります。就寝の約90分前にサウナに入り、一旦深部体温を上げれば、睡眠の質を上げることもできます。
また、お風呂と違いサウナは心臓の弱い人にもお勧めできます。水圧がなく身体を締めつけられないので、下半身の血流が心臓に上がることなく、身体を温めることができるのです。ただし、60℃までとして水風呂は避けます。
さらに、「サウナ習慣」を身につければ、疲れにくい身体を作ることも可能です。北欧の研究では、サウナに入るほど健康になると言っていますが、私は週に2回のサウナをお勧めします。
というのも、人の身体は体温が1.5℃上がると「ヒートショックプロテイン」というタンパク質が合成され、細胞の修復が始まるからです。ただ、やりすぎると身体が慣れて分泌されなくなりますし、3日ほど効果が持続するので、週2日くらいがちょうどよいのです。なお、このタンパク質は保温したほうが長持ちするので、身体を急速に冷やしてはいけません。
サウナブームは喜ばしいですが、危険な入り方をして事故を起こしてはせっかくのブームも台無しです。用法を守って、正しくサウナを楽しんでください。
更新:11月25日 00:05