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衝撃の逮捕から1年。ゴーン氏の「失敗の本質」はどこにあったのか?

2019年10月17日 公開
2020年01月15日 更新

法木秀雄(早稲田大学ビジネススクール元教授)

岐路に立つ日産とルノーの関係

ゴーン氏退任後のマネジメントも混乱が続く。2019年9月に入り、やはり報酬に関する疑惑により、ゴーン氏の後を継いだ西川廣人社長兼CEOが辞任するなど、経営陣のトラブルが立て続けに起こることになってしまった。

しかし私はそれでも、日産の技術力があれば必ず復活は可能であると考えている。西川氏に関しても批判はあったが、ゴーン氏独裁、ルノーの過剰支配を変えようと立ち上がった勇気を多としたい。日産の経営陣も社員もこの動きを弱めてはならない。近著『「名経営者」はどこで間違ったのか』では、そのための私なりの処方箋もお伝えしている。

現在、ルノーが日産へ経営統合を申し出るなど、経営権をめぐっての綱引きが続いている。だが、私に言わせれば、日産はルノーから距離を置くべきで、経営統合などあり得ない話だ。

自動車産業はいまだにグローバルな競争力を有し、日本経済を支える存在である。フランス政府の傘下にあるルノーによって日産のリソースがフランス側に安易に流出することは、日産の株主の利益を損なうだけでなく、国益すら大きく損なうものだ。

このような現状をぜひ、多くの人に知ってほしいと考えている。

『「名経営者」はどこで間違ったのか』より抜粋・再編集)

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