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10年後を予測!これから伸びる業界、沈む業界

2019年07月22日 公開
2023年03月02日 更新

中原圭介(経済アナリスト)、長谷佳明(野村総合研究所 上級研究員/ITアナリスト)

運輸

遠隔操作の「無人タクシー」が主流に。宅配は一部作業を残して自動化

タクシーは、自動運転や遠隔操作による「無人タクシー」の時代に向かうだろう。自動運転か、遠隔操作か、併用型になるかは、これから技術や法律がどうなるかによっても変わってくる。遠隔操作の場合、タクシー運転手はオフィス勤務が基本になる。自動運転になれば雇用が減らせるため、経営者は自動運転を目指したいはずだ。タクシーの自動運転を実現するには、規制緩和が不可欠。また、自動運転に必要なデータで先行しているグーグルにどう追いつくかもカギとなる。(中原氏)

宅配業は、高速道路上の自動運転が法整備も含めて可能になれば、ドライバーは今ほどいらなくなる。10年のスパンでみればドライバー不足は解消されていく。一方、荷物を顧客に届けるラストワンマイルについては、完全自動化は難しいと考える。倉庫内も自動化が進み、出荷作業の人員はかなり減ってきている。ただし、棚から荷物を取り出す作業については、荷物の重さや堅さのような特性を判断しながらつかむ高度なロボットハンドの実現が難しいため、人手に頼っているのが現状。だが、それも10年以内には自動化されるだろう。(長谷氏)

 

建設業

作業効率化が大幅に進む。今後は空き家活用がカギに

土木分野は、IOT(モノのインターネット)化による大幅な効率化がカギとなる。すでに大手ゼネコンでは、パソコンからの遠隔操作で建機を動かす実証実験を行なっている。将来は、人の手を介してしかできない一部の仕事しか残らなくなるだろう。住宅建設は人口が減れば尻すぼみになり、代わりに増えていくのが空き家である。増えていく空き家をリノベーションしてどう活用していくのかが今後の大きなテーマになる。(中原氏)

これまで高度な情報システムの活用が遅れていた業界だが、近年は現場の測量技術が発達し、作業の効率化が進んでいる。この分野で先行するのがコマツだ。従来はアナログによる測量が行なわれていたが、今ではドローンを使った高度なデジタル測量が可能になった。例えば、画像認識技術を使って土砂の量を測り、運搬に必要なトラックの台数を推測することもできる。高齢化により懸念されている人手不足も、現場の無駄がなくなれば、いずれ解消されていく。(長谷氏)

 

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著者紹介

中原圭介(なかはら・けいすけ)

経済アナリスト

1970年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。経営・金融のコンサルタント会社、アセットベストパートナーズ㈱の経営アドバイザー。企業・金融機関への提言、執筆・セミナーで経営教育・経済教育の普及に従事。幅広い視点から経済や消費の動向を分析し、その予測の正確さには定評がある。『中原圭介の経済はこう動く 2016年版』(東洋経済新報社)など著書多数。

長谷佳明(ながや・よしあき)

野村総合研究所 上級研究員/ITアナリスト

同志社大学大学院修士課程修了後、外資系ソフトウェア企業のコンサルタントを経て、2014年に㈱野村総合研究所入社。現在は、ITアナリストとして、先進的なIT技術や萌芽事例の調査、コンサルティングを中心に活躍している。古明地正俊氏との共著に『AI(人工知能)まるわかり』(日経文庫)がある。

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