2019年04月09日 公開
2023年03月07日 更新
人は誰しも、コミュニティに属したいものです。アメリカの心理学者デイビッド・マクレランド氏は、人間が行動を起こす動機には「達成欲求」「権力欲求」「親和欲求」の3つの欲求が関与していると提唱していますが、コミュニティに属したいというのはまさに「親和欲求」です。
しかし、コミュニティとの関わり方には注意が必要です。現代社会では、所属するコミュニティが多すぎて疲れてしまう人が少なくありません。
限られた時間のなかでコミュニティとの関係を保つために、圧迫感やプレッシャーを感じることすらあります。そうしたコミュニティ疲れは、メンタルにも悪影響を及ぼしかねません。
なぜ、所属するコミュニティが増えていくのかというと、「ノー」が言えないからです。
興味がないのにゴルフの誘いを断れなかったり、自分に関係のない仕事を手伝うよう頼まれて受けてしまうと、タスクは増える一方。タスクが増えればストレスも増えていきます。
成長のためのストレスならいいですが、意味のないストレスは極力軽減すべき。時には断る勇気も必要です。
「ノー」と言うのは、メンタルを健全に保つためにも重要なことです。「ノー」と言えない人の「イエス」には価値がありません。
イエスマンは、上司からしたら使い勝手がいいですが、意見を求められていつも「いいんじゃないですか」と答えていては、説得力がありません。
所属するコミュニティが多すぎる人は、参加するコミュニティを減らすべきです。
方法としてまずは、自分が所属しているコミュニティを紙に書き出してみましょう。その一つ一つに点数をつけていくと、重荷になっているコミュニティや苦手と感じているコミュニティが明確になってきます。点数が低かったコミュニティは参加するのを辞めてしまいましょう。
ただ、時としてすぐに辞められないコミュニティもあるので、その場合はどうやって関係を改善するかを考えることも必要です。
逆に足りない部分を増やしていくことも重要です。たとえば最近、会社の同僚としか関わりがなく、メンターや人生の先輩を探したいとしたら、もともと興味のあった将棋を始めてみる、といったようにです。
もしかしたら将棋サークルで出会ったおじいさんに、人間の本質を教わることだってあるかもしれません。
一つのコミュニティが増えれば、自分の中に「新人」という新しい立場が加わります。そうすることで、メンタルも変わっていくのです。
メンタルを整えるのに特効薬はなく、日々の取り組みが非常に重要です。今回紹介した内面に目を向ける方法でも外面に目を向ける方法でも、まずはできることから実践してみてはいかがでしょうか。
更新:11月25日 00:05