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「Please」は使うな!グローバルエリートの「英語で伝える技術」とは?

2019年04月01日 公開
2023年03月10日 更新

戸塚隆将(ベリタス代表取締役)

ジャック・ウェルチの「簡潔に伝える力」

そのうえで、話したいことをなるべく「簡潔に」まとめる。よく言われるように「結論から話す」ことが基本だ。

「ビジネスでは、結論から端的に述べたほうがいいのは日本語も英語も同じです。ところが、英語をよく勉強している日本人が英語で話すときについやってしまいがちなのが、だらだらと長くしゃべってしまうことです。

聞いているほうは『結局何を言いたいの?』『早く結論とその根拠を言ってくれないかなぁ……』と不満を募らせているものです。ひどい場合には、『この日本人は英語は得意だけど、一緒に仕事をするビジネスパーソンとしては失格だな』といったマイナス評価を下されている恐れもあります」

「簡潔に伝える」ことに関して、印象に残っている事例があるという。

「数年前、CNNのニュースで、GE元会長兼CEOのジャック・ウェルチ氏がインタビューに答えた際のことです。インタビュアーの『米国は中国の躍進をどう受け止めればいいか?』という質問に対し、ウェルチ氏は間髪入れずにこう言っていました。

『Opportunity.』(チャンスだよ)

続けて理由を問われると、もうひと言加えました。

『Huge market.』(大きな市場だからね)

究極にシンプルなメッセージでありながら、結論と根拠が実に明確です。本質を突いた返答で、長々とした説明より視聴者の印象に強く残ります」

 

「So-so」は不愉快な表現!?

四つのポイントを意識し、結論から話す。これが伝わる英語の基本だが、「言い回し」にも気をつけるべきだという。例えば「So-so」は、日本人が多用しがちだが、ネイティブスピーカーはめったに使わないそうだ。

「私もこの表現を便利だと頻繁に使っていた時期がありました。留学していた頃、食事に連れて行ってくれた現地の友人に味はどうだと聞かれ、『So-so』と答え、次に同じような場面で同じ返答をしたところ、『お前はいつもSo-so だな。いいのか悪いのかどっちなんだ?』と突っ込まれ、呆れられてしまったことがあります。

ネイティブにとっては『まあまあ』というより、『どうでもいい』『関心がない』というニュアンスに聞こえます。『So-so』は多用し過ぎると相手に不快な印象すら与えてしまいかねない、実に危うい表現なのです。

そもそもビジネスの場面では、自分の意見をはっきりさせることが求められます。常日頃から、どんなに些細なことでも yes /no、because(根拠)は明確にして話すべきです。

また、何かを頼む際に『Please』という表現を日本人は使いがちですが、『Please+動詞』という表現は、あくまで命令文に『Please』をつけているだけで、命令形であることに変わりはありません。ビジネスで相手に頼みごとをするときには、仮定法(wouldやcouldを使った表現)を活用するほうがいいでしょう」

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1対1のときも、複数人に向けて話す >

著者紹介

戸塚隆将(とつか・たかまさ)

ベリタス代表取締役

1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。ゴールドマン・サックス勤務後、ハーバード経営大学院(HBS)でMBA取得。マッキンゼーを経て、2007年、ベリタス株式会社(旧シーネクスト・パートナーズ株式会社)を設立、代表取締役に就任。
同社にて企業のグローバル人材開発を支援するほか、HBSのケーススタディ教材を活用したプロフェッショナル英語習得プログラム「ベリタスイングリッシュ」を主宰。グローバル人材を輩出し続けている。著書に『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』(朝日新聞出版)等がある。
ベリタス株式会社
http://www.veritas-english.jp/company/
ベリタスイングリッシュ
http://www.veritas-english.jp/

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