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英語のライティングは、「書いて添削」よりも、まずは「大量のインプット」を

2019年02月15日 公開
2023年03月10日 更新

西真理子(ランゲージ・マジック・ファクトリー代表)

 

「中1レベルを30日間」で基礎ができる

 では、テキストとしては、何を選べばいいのか。

 学生のときに勉強して以来、英語に触れてこなかった人が、40代以降になって勉強を始めるのなら、『中1英語をひとつひとつわかりやすく。』(山田暢彦監修/学研プラス)がお勧めです。掲載されている英文が短く、「写経」に向いているからです。

「中1の英語なんて簡単すぎる」と思う人もいるかもしれませんが、読んで意味がわかることと、自分で書けることとは、まったく違います。

 中1レベルの英文の「写経」は、30日間続けるといいでしょう。これで、ライティング能力の基礎ができます。

 本当は中3レベルの英文まで「写経」で身につけるのが望ましいと思います。中3では、関係代名詞など、高度な文法も学びます。「関係代名詞はネイティブでも使わない」と言う人がいますが、実際にはいくらでも使われています。やはり中3で学ぶ分詞も、非常によく使われます。

 しかし、「写経」は忍耐力が必要なので、長期にわたって続けられる人はほとんどいません。中3レベルまで「写経」を続けるよりも、TOEICを受ける前にその問題集をテキストにしたり、英検2級を受ける前にその過去問をテキストにしたり、あるいは英文Eメールの文例集をテキストにしたりと、必要に応じて「写経」をするのが現実的でしょう。

 ちなみに私は、「写経」でライティング能力を高めるためのテキストとしては、TOEICの問題集よりも、英検2級のライティング(エッセイ)問題の参考解答をお勧めしています。

 なかなか書けない上手な英文なのですが、だからこそ、繰り返し書き写す意味があります。トピックも時流を捉えた興味深いものが多いので、楽しみながら書き写せると思います。

 基礎ができたあとは、英作文をして先生に添削をしてもらう、一般的な勉強法に切り替えてもいいでしょう。

 ただし、その場合は、日本語ができる人に先生になってもらいましょう。英語しかわからない人だと、「この英文は変だ。こうすると自然になる」ということはわかっても、なぜそうなのかをうまく説明できませんし、日本人が間違える理由も理解できないからです。

《『THE21』2019年2月号より》

著者紹介

西 真理子(にし・まりこ)

ランゲージ・マジック・ファクトリー代表

長崎県生まれ。1990年、国際基督教大学教養学部卒業。外資系企業数社にて役員秘書・エグゼクティブアシスタントを務めたのち、現在はビジネス英語をはじめとするビジネススキル講座講師、また英語コーチとして、教育やトレーニング事業に携わる。英検1級。著書に『「英語を話せる人」と「挫折する人」の習慣』(明日香出版社)、『よく出る6テーマ別 英検総合トレーニング準1級』(三修社)などがある。

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