2018年12月25日 公開
2023年03月13日 更新
心地よい眠りのためには、明るさや室温など、リラックスできる条件を整えることが大切。音楽もその1つと言えるだろう。しかし、音が気になって眠れなかったり、ヘビィメタルのようなハードな音楽を選んだり、音の好みは人によってバラバラ。いったいどんな基準で選べばいいのか、科学的な視点から「眠りに誘う音楽」を考える。
ぐっすり眠るための音と音楽のセレクトポイント
「〇〇秒でぐっすり」「深く眠れる」といった謳い文句のCDやアプリが人気だ。自然の音やクラシック音楽など、様々なものがあるが、共通して言えるのが「単調さ」である。これは音に限ったことではなく、五感の刺激に共通するものだ。
例えば電車の中で似たような風景を延々と眺めたり、同じ作業をずっと続けていたりするうちに眠くなったという経験はないだろうか。同じように、単調な音の刺激は脳の働きを落ち着かせ、副交感神経を優位に導き、リラックスさせてくれるのだ。
ただし、何を持って単調というかは人次第。電車のガタゴトという音、モーツァルトのなめらかな旋律、中にはテレビの砂嵐の音が最高という人や、ヘビィメタルの重厚な低音が好みという人もいる。普段から慣れ親しみ、音が気にならなくなっている時に限り、この効果がもたらされるというわけだ。つまり、いつもと違う音、例えば着けたばかりのエアコンの室外機の音や、隣の人がかける好みでない音楽などは、たとえ音としては単調なものであっても、むしろイライラの原因になり、この限りではない。
なお、誰にでも共通して「慣れ親しんだ音」があるとしたら「自然界にある音」だろう。風の音、葉擦れの音、火が燃える音、とりわけ波の音や雨の音など「水の音」は、実験によって脳に与えるリラックス効果が高いことが分かっている。
更新:10月14日 00:05