2019年01月08日 公開
江上 日本のメーカーを代表する存在として、富士フイルムにはこれからもどんどんチャレンジを続けていってほしいです。
古森 メーカーの使命は、いいものを作る、価値を創出することにあります。社会的に価値のあるものを作った結果として、われわれは対価を受け取ることができる。そしてその対価を原資に更に価値のあるものを作っていく。それこそが製造業なのです。
さまざまな分野で製品を提供していますが、我々は、いずれの分野でも一歩進んだ製品を提供していると思います。
江上 結びに、日本のこれからを支えていくビジネスパーソンに向けて、何かメッセージをいただけますか。
古森 一つ言うなら、「もうちょっと元気を出せ」ですね。
今の若い人たちは、皆、素直でものわかりもよく、ジェントルマンですよ。でも、「変革したい」「向上したい」といった個人のエネルギーが足りないと感じます。組織からはじき出されないよう、個を殺しているのかもしれませんが、遠慮しないでもっと尖ったほうがいいし、ゴツゴツと前に出ていったほうがいい。
江上 「忖度(そんたく)」という言葉が流行語になりましたけど、忖度なんてしている場合じゃないと。
古森 私なんか、意見が食い違って、上役とケンカすることは数知れず、でした。社風が開放的な富士フイルムだから許されたようなものです。でも、ケンカをしたのは、別に自分のためにしていたわけでなく、「私のほうが会社のために正しいことを言っている」という信念があったから。だから周囲からも許されたのだと思います。
多少、出る杭になったとしても、「正直に、嘘をつかず、誠実に」という人間としてのきちんとした振る舞いがきちんとできていれば、周囲も受け入れてくれるものです。自分を成長させたいなら、個を殺さず、組織に沈まず、もっと突き出ていくべきです。
江上 本日はありがとうございました。
更新:11月22日 00:05