2018年12月13日 公開
2023年01月30日 更新
そして次が、相手の「わかった!」を引き出す最大のポイントです。前述の通り、「わかる」とは既存の知識と新規の情報がつながること。「この問題はこれが原因で起こる」「ということは、こうすると有効」というメカニズムや因果関係を明示できれば、相手は強い納得感を覚えます。
このプロセスを後押しするのが、具体的な例示。過去の成功例、別業種の似た実例などを挙げると説得力が格段に増します。
同じく有効なのが「比喩」。たとえば「動機づけ」という言葉を説明する際、「やる気を出させること」だけではなく、「車で言えばガソリンを入れることです」と言い添えればビビッドに響きます。「ハイオクとレギュラーがあるように、動機づけの方法も、人によって様々」という風に展開することもできます。
ただし比喩は、抱くイメージが双方で一致していなくてはいけません。今挙げた「ガソリン」も、自動車の運転をしない人にはピンと来ない可能性があります。悪くすると混乱させてしまう危険性も。
ですから慣れるまでは、誰もが日常的に接する食べ物や、よく知っている動物などから始めるのが無難。相手の表情を見て、腑に落ちていないようならば、別の表現を試しましょう。
このように、「興味喚起」→「知識レベル確認」→「目的と大枠の説明」→「具体例と展開」という風に進めるのがIKPOLET法。次ページにより詳しく説明していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
説明スキルを高めるには、次の三つのトレーニングがお勧めです。
一つ目は「道案内」。自宅や自社など馴染みのある場所を、「何駅の何番出口を出て、どちらに進んで……」と説明してみることで、どのポイントを押さえるべきかが的確につかめます。
二つ目は「他己紹介」。同僚や部下の人物像を第三者に教えてみましょう。これは「取引先での担当交代」といったシーンで実際に必要です。その人物の魅力を上手に伝えられますか?「誠実です」「優秀です」などの漠然とした賞賛ではなく、「クライアントの売上げ2割増を3社で実現しました」など、客観的なエビデンスや数値を添えて言えるようにしましょう。
三つ目は、自分の趣味や応援しているものについて、その素晴らしさを説明することです。
この三つの共通点は、「自分と相手の間に理解度のギャップがあること」です。「相手は知らない」という出発点に繰り返し立ち返り、様々な題材でトライしましょう。ギャップが解消される爽快感を味わい、相手に「わかった!」を、ぜひもたらしてください。
更新:11月26日 00:05