2018年10月24日 公開
2023年03月14日 更新
受動的に本を読んでいても、「なんとなくわかった」気にはなります。これには一番気をつけなければなりません。
「わかった気になっている」だけかどうかは、「著者が伝えたかったことは何か」を表現してみればわかります。著者の主張をひと言で言い表せなければ、理解できていない証拠です。
本の中の一部分を切り取ってみたり、印象に残っているエピソードを語ったり、説明が長くなる場合は要注意です。本を「魚」に例えるなら、それらは「身」の部分です。おいしいかもしれませんが、著者が一番伝えたいことではありません。
著者の主張は、魚でいえば「骨」の部分です。どんな本にも、最初から最後まで貫通する一本の骨のような主張があります。骨と身を分離し、骨だけを残してはじめて、著者の主張は「要するに何なのか」を言い表すことができます。「わかった気」になっている状態を脱して、著者の主張を正しく理解するには、本の内容を短文で要約できなければならないということです。
要約は、やり慣れていない人にとってはハードルが高いかもしれません。ですが、要約しようと試みること自体が、実はとても効果があります。
というのも、要約は読者が自分で情報を整理し、短文にまとめ直すという能動的な動きを必要とする点で「アウトプット」です。「あとでアウトプットしなきゃ」と思いながら読むだけで、自然と本の内容が頭に入りやすくなります。つまり、「要約しよう」と思うだけでも、本の読み方が変わってくるのです。ぜひ実践してみてください。
最後に、読むべき本の選び方についてお話ししたいと思います。理想は、「そのときの自分に合った本」を選ぶことですが、そのためのテクニックの一つとして、僕は「今売れている本」を読むことをおすすめします。
ベストセラーがすなわち良い本とは限りませんし、誰が読んでも得られるものがあるとも限りません。しかし、売れている本には、それなりの理由があります。売れているからといって、書かれていることを受け入れるのではなく、「なぜこの本が今売れているのか?」と疑問を持ちながら読んでみてください。
ベストセラーは往々にして「議論を呼ぶ本」であることも、読むべき理由の一つです。自分で問いを立てながら読み、自分なりの結論を導き出すことで、考える力が身につくはずです。
更新:11月22日 00:05