2018年07月16日 公開
2023年03月14日 更新
年収の高い低いで言うと、ピラミッドの一番高いところがヘッドハンターで、次が求人広告と人材紹介。年収が低い下層がハローワークです。縁故や自社ホームページなどは、年収の高い低い両方あるので、ここでは除外します。
実は、35歳限界説がなくなったと言っている場合、ほとんどは上位1%のハイクラス向けのサービスをしているヘッドハンターやごく一部のスペシャリスト向け求人サイト、人材紹介の人たちということが多いのです。こうした高需要人材、高付加価値人材、たとえば、50代のCEOや役員の転職市場から見ると、35歳限界説などなくなったように見えてしまうのです。
つまり、転職マーケットの1%では、確かに35歳限界説は過去のものになりましたが、転職マーケットの99%では今も厳然と残っている、というのが実情です。
そもそも、40代の雇用状況が改善した、というニュースを鵜呑みにしてはいけない理由は他にもあります。
たとえば、40代の求人倍率が0.7倍から0.9倍に上がったとしましょう。すると「40代の求人が25%も増えた!」というようにフレームアップして報道されます。その一方で、20代の求人倍率が1.4倍から1.9倍に、40代以上に上がっていたとしても、それについては触れられません。なぜなら、それは当たり前のことであり、その情報にニュース性はないからです。
全体で見れば、やはり20代、30代の転職成功実数のほうが増えているのに、40代の求人増だけが注目されて報道されるのを見ると、「企業は今、40代を求めている」「40代でも転職しやすくなった」といった印象を受けます。しかし、実際には20代、30代の若い人たちの需要が圧倒的多数なのは変わっておらず、「あまりにも採用が難しい職種だけは年齢基準を上げてみようか」というのが企業側のホンネであり、求人倍率が高まっている背景なのです。
更新:11月26日 00:05