2018年07月02日 公開
2023年03月14日 更新
どんなに「売れる」営業マンでも、ベテラン営業マンでも「売れない時期」「スランプ」を一度は経験しているはずです。
では、それはどんな時なのか。
「いい商品がない」「忙しくて営業に出ることができない」などといろいろな言い訳やご託を並べる人もいますが、結局、売れない時というのは「売るお客様がいない時」。このたった一つの理由だと自分は考えています。
経営学者のP・F・ドラッカーは、会社が勝ち残るには「顧客を創造することが一番大切だ」と言い切っています。これは営業マンにとっても同じことです。
では、常にマーケットを創造する、お客様を創り続けるにはどうしたら良いのか。
結局、それは「アポイントの数」による。それが私の結論です。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれません。ただ、営業を始めて2、3年はアポイントの数を意識していても、営業経験が長くなればなるほど、誰もがそれを忘れてしまう傾向があるのではないでしょうか。
結局、営業マンは「アポイントの数」だということを私自身、痛感したことがあります。それは、生命保険業界が世界に誇る保険営業の神様、トニー・ゴードン氏の話を聞いた際のことです。
トニー・ゴードン氏をご存知でしょうか。「1週間に13件の新規見込客のアポイントを入れる」ことを20年以上も実践し、全く無名の営業マンから、保険業界では知らない人がいないほどの伝説の営業マンとなった人物です。
彼が来日した時、直接質問をする機会に恵まれました。
そこで私は、二つの質問をしてみました。
「1週間に13件の新規アポイントを入れられなかったことがあるか」
「新規のお客様が枯渇した時、どんな手段で見込客を探してくるのか」
最初の質問に対し、ゴードン氏は優しい顔をしながらも、「No Way(そんなことあるわけがない)」と言いました。
そして、「見込客がいつか枯渇するかもしれない、という恐怖を味わうくらいなら、どんな手段を使ってでもまずアポイントを入れるのが営業マンだ」と答えてくれました。そして、「1週間に13の新規アポイント」というのは、彼が自分の経験の中から導き出した、見込み客が決して枯渇しない数字だというのです。
このアポイントの数はもちろん、業界によって違うでしょう。ただ、どんな仕事においても、「営業マンとして成功するためのアポイントの数、有効面談数」というのはあるはずで、これを正確に把握していない営業マンは「絶対に」売れる営業マンにはなり得ません。
2つ目の質問に対しての答えも、非常に明確で簡潔でした。
「Whatever it takes,I must get appointment(どんなことがあっても、私はアポイントを取らなければならないんだよ)」
続けて彼が教えてくれたのは、「では、見込み客を創る“ために”どうしたらいいか」「見込み客を枯渇させない“ために”どうしたらいいか」を考え、できることを100個出してみるといい、というものでした。
たとえば、「そのために新しい人と会う」「そのために紹介を依頼する」「そのために自分の広告をする」「そのために既存客周りをする」……など。それは営業マン一人一人違うでしょう。でも、もしそれを100個考えることができたなら、あなたは絶対に成功する営業マンになれる。ゴードン氏はそう教えてくれたのです。
私自身、このゴードン氏のやり方を徹底的に真似してきました。その結果、今日にいたるまで見込み客がいない、という状況には陥っていません。
営業の仕事とは何か、と聞かれた際、「お客様のお役に立つ」「社会に貢献する」と言う人がいます。それはもちろん大事なことなのですが、結局、そのためには「モノやサービスを売る」ことが必要ですし、さらにそのためには、「常にお客様を確保する」ことが不可欠なのです。
スランプの時、行き詰まった時こそ初心に帰り「アポイントの数」にこだわってみてはいかがでしょうか。厳しいことを言うようですが、「いくら綺麗事を言ったって、営業マンは売ることができなくなったら終わり」なのですから。
更新:11月25日 00:05