2018年06月08日 公開
2023年05月17日 更新
気分を確認し、それを表現する表情・動作(姿勢や動き)が整ったところで、その気分に言葉をのせてください。
明るい気分にのせた「こんにちは」と、暗い気分にのせた「こんにちは」は、言葉は同じでも印象はまったく異なります。
会話において、純粋に意味だけを伝える言葉というものはありません。必ず、
気(エネルギー)×言葉
というかけ算、あるいはセットで伝わります。
気(エネルギー)が活発で大きければ、わずかな言葉でも強烈なメッセージが伝わります。気(エネルギー)が小さければ、どれほど美しい言葉で、どんなに長く語ろうとも弱々しいメッセージしか伝えられないでしょう。会話で伝わるのは第一に気(エネルギー)なのです。
子どもに宿題をするように伝える会話の例で考えてみましょう。楽しい気分を動作で表現しようと考えた親御さんは、ニコニコ笑顔で踊り出しているかもしれません。踊らぬまでも、軽快な足取りでお子さんに近づき、「今日、宿題あった?」と弾むようにニコニコ聞くことでしょう。
セリフはもともと考えていたことと大して変わりません。何も考えずに尋ねていたら、眉間にしわを寄せて聞いてしまうでしょう。「どうして早く宿題をしないのか理解できないなあ」という心の中の不信感を伝えながら「今日、宿題あった?」と聞いていたかもしれません。しかし、2つのステップを経た言葉は、まったく印象が違います。
ニコニコ、踊るような足取りで、「今日、宿題あった?」
楽しい気分が伝わるので、「宿題」自体が楽しいもののように伝わります。単なる「宿題」が、「苦しい宿題」ではなく、「楽しい宿題」へと印象が変わっているはずです。こう聞かれた子どもは、責められている気持ちを抱かずに、「あった」か「なかった」かを答えることができます。
逆に責め立てられて聞かれると、自分が悪いことをしているのではないかという気分になってしまいます。
このように気(エネルギー)とかけ合わされることを前提にして、わかりやすい言葉や前向きな表現などを工夫することが、心豊かな会話を始めるコツです。
目的を考えて、その気分を選ぶ。次に、それを表情、動作(姿勢と動き)で表してから言葉を出すだけです。慣れれば一瞬で、誰でもできます。
更新:11月24日 00:05