2018年04月04日 公開
2023年03月23日 更新
では、具体的にはどうやって思考力を鍛えればよいのか。
「まずは『言語化』してみることです。何かについて考える際には、まず頭の中にあるものを言葉にしましょう。私はノートに考えを書き下すようにしています。最初はランダムに思いつきを書くだけですが、次第に『こことここが因果関係でつながる』などの発見が出てきます。繰り返し書き直すうち、明快な論理構成へとブラッシュアップされていきます」
その際は、「伝える相手」を意識することも忘れてはならないという。
「相手にどう伝えるかを考えながら書き出すことにより、どう伝えればムダなくスキなく、心に訴えるものになるかも見えてきます」
日常生活で論理力を鍛える方法は、他にもあるという。
「お勧めできる方法は二つ。一つは日常のあらゆる物事について、結論と根拠を考えてみる習慣を持つことです。『好きな食べ物は何か』『その理由を三つ挙げる』というように、どんな小さなテーマでも説明できるようにしておくと、実際のコミュニケーションでも役立ちますし、思考力も鍛えられます。
もう一つは、『自問』の習慣。これは、『結論を持つ力』を鍛える練習です。自分に直接関係ないニュースや場面に遭遇した際、『自分ならどうする』と問いかけてみましょう。たとえば、顧客への説明に手間取る上司や同僚を見たら、自分なりの説明を頭の中で組み立ててみる、といったことです」
管理職なら、部下に同じ習慣を持たせることも大事だ。「一方的に指示をするのではなく、『君ならどうする?』『その結論に達した理由は何?』と、こまめに問いかけましょう。これは部下育成と同時に、自分を鍛える効果もあります」
取材構成 林 加愛
『THE21』2018年2月号より
更新:11月25日 00:05