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日本人の9割が「バカ」を隠している

2017年12月22日 公開
2023年03月23日 更新

坪田信貴(坪田塾塾長/「ビリギャル」著者)

夢がないから成長できる⁉

 そのためにも、早々にトラウマの払拭を図りたいところ。その方法は、意外に簡単です。新たな成功体験によって失敗体験を上書きすればいいのです。

 たとえば大学受験に失敗したのなら、新たに資格試験にチャレンジしてみましょう。合格し、自らに誇りを感じることができれば、失敗の記憶は上書きされます。

 ポイントは、「誇り」という主観的感情です。世間的な基準ではなく、それを行なうことで自分が納得感や達成感を得られるかどうかが大事です。

 さて、ここで「したいことがわからない、とくに夢も目標もない」という人もいるでしょう。しかし「それなら勉強など不要」と決めつけるのは間違いです。したいことがないなら、「人が求めていること」をすればいいのです。このアプローチは、生半可な「夢」より大きな可能性を持っています。誰かのニーズこそ、すなわちビジネスチャンスだからです。ぜひ、周囲の不満や不便を掘り起こしてみてください。 

 たとえば、会社の情報管理システムの煩雑さに皆が悩んでいるなら、「プログラミングを学んで、自らシステムを構築する」というのもいいでしょう。どんな分野も、1年もかけて学べば一定のレベルに達するもの。そうなれば周囲にとって貴重な人材になれます。

 社内に限らず、生活のあらゆる場面でニーズを探すのもおすすめ。「街がもっとキレイならいいのに」「介護の人手が足りない」といった声に接するたび、「これを解決するには?」と考えてみるのです。

 最初はまるでイメージが湧かないかもしれません。しかし、これもまた「勉強」です。周囲の声を聞き、そこにある問題を掘り下げ、解決策を考えることは、あらゆるビジネスパーソンにとって有益な訓練となるはずです。

 ビジネスパーソンの成長とそのための勉強が、いかに多くの可能性を引き出すか、感じていただけたでしょうか。次回からは、さらに具体的な方法について、解説していきたいと思います。

 

次回は、12月25日(月)に掲載予定です。

 

『どんな人でも頭がよくなる 世界に一つだけの勉強法』

 

『THE21』2017年9月号より

取材・構成 林 加愛

著者紹介

坪田信貴(つぼた・のぶたか)

学習塾「坪田塾」塾長

心理学を駆使した学習法により、1,300人以上の子供を個別指導し、多くの生徒の偏差値を短期間で急上昇させた実績を持つ。2013年、著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA)が大ヒット。その後も受験指導のみならず、企業の人材教育や起業アイデアの指導、講演活動等多角的に活躍中。

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