2017年10月12日 公開
2023年03月23日 更新
入社から10年、20年も経つと、良くも悪くも仕事がルーティン化し、毎日機械的に働いている人もいるのではないだろうか。そして、次第にやる気を失ってくる...。30代、40代の中堅社員が、職場でモチベーションを維持できない「中だるみ」状態になるのはなぜなのか、キャリアデザインの専門家である山本寛氏にうかがった。
※本稿は、『THE21』2017年10月号特別企画 [「やる気」を自在に引き出す20のコツ]より、内容を一部抜粋・編集したものです。
<取材・構成:麻生泰子>
あなたの職場にも「中だるみ」に陥っている中堅社員はいないでしょうか。3、40代になってくると、仕事も同じようなことの繰り返しで、目標達成もほどほどで頑張りすぎなくていい、そんな“落としどころ”が見えてくるもの。こうしたマンネリ化はどんな職種であっても直面する問題です。
だからといって、「本人のモチベーションの問題」のひと言で片づけてしまうのは誤りのもと。とくに最近の傾向として、組織の抱える問題が一因となって、やる気を失う中堅社員が増えているのです。
組織側の原因は、いくつか考えられます。
1つは、日本企業全体の傾向として、昇進が停滞していることが挙げられます。人材不足や長引く不況の影響もあり、課長や係長などのポジションをなくす「フラット化」を導入する企業も増えていますが、中には部長とヒラ社員しかいない職場もあります。
さらに、管理職の平均年齢も上昇。10年以上のキャリアを積んでも、思うように昇進・昇給がかなわない社員が増えているのです。
ポジション自体がないか、いつ空くかわからない状況では、"次のポジション"という目標が不明確なまま働き続けることになり、モチベーションが上がりません。また、昇進の機会がないと、会社員生活の中での区切りがつけにくく、これも仕事のマンネリ化につながってしまいます。
さらに、近年、どの業界においても人材不足が深刻化しています。新入社員が入ってこないために、中堅になっても若手がやるような単純作業を担当せねばならず、ギリギリの人員で回すから、仕事量も増える一方。
中堅社員側からすれば、毎日ヘトヘトになるまで働いても、成長や達成感といった手応えが一向に感じられない...。
こうした職場要因が重なれば、次第にやる気を失っていくのも無理はありません。そうした報われなさが恒常化すれば、挑戦する心を失い、受け身になっていきがちです。
更新:11月22日 00:05