2011年11月19日 公開
2024年12月16日 更新
テレビで盛んに宣伝されている携帯電話を使ったゲーム。これらは「ソーシャルゲーム」と総称される新しいゲームだ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の調査によると、国内の市場規模で、2011年が2,385億円、2012年には3,394億円に成長するといわれている。
この新ジャンルのゲームは、従来の家庭用ゲームと何が違うのか?
その人気の秘密とは何なのか? ソーシャルゲームの基本からビジネスモデル、人気のゲームタイトルまでを解説しよう。
※本稿は『THE21』2011年11月号より 転載したものです
Q:そもそも「ソーシャルゲーム」って何?
A: SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、つまり日記などによって、友人などとのコミュニケーションができるサービスで提供されるオンラインゲームのこと。フェイスブックが世界で最初に始め、日本ではグリー〔株〕、〔株〕ディー・エヌ・エーのモバゲー、〔株〕ミクシィなどがプラットフォームとして提供している。
Q:普通のゲームといったい何が違う?
A: ソーシャルゲームは、オンラインで楽しむもののため、家庭用ゲーム機のように、専用のゲーム機やゲームソフトなどは必要ない。パソコンや携帯電話を使ってプレイする。パソコンと携帯電話の両方で遊べるもの、パソコンのみ、携帯電話のみなど、ゲームによって遊べる環境は異なる。
家庭用ゲーム機は1人で楽しむのが基本だが、ソーシャルゲームはSNSの友人同士で助け合ったり、コミュニケーションを取ったりしながら楽しむ機能があるのが特徴だ。
Q:ソーシャルゲームのどんなところにハマる?
A: ソーシャルゲームの基本利用料は無料。しかし、ゲームをより楽しむためには、有料のアイテムを購入する必要が出てくる。無料でたくさんのユーザーを集め、そのなかの熱心なユーザーにはお金を払ってもらうという、いわゆる「フリーミアム」が、ソーシャルゲームのビジネスモデルだ。 そのため家庭用ゲーム機のゲームのように、「クリアすれば終わり」ではなく、ユーザーが飽きなければいつまでも遊び続けられるしくみになっている。 以前はこうした点の理解が、ユーザーのあいだにもじゆうぶん浸透していなかったため、「CMで『無料』といっているのに、お金がかかるのはおかしい」といった苦情が多く寄せられたこともある。
Q:ソーシャルゲームを提供する会社の業績は、どれくらい伸びている?
A: 日本でソーシャルゲームを提供している主なSNSは、ミクシィやモバゲー、グリーなど。このうちとくにモバゲーとグリーのCM放送数が多く、目にした人も多いはず。たくさんCMが打てるということは、それだけの利益が出ていると考えるのが自然だ。
2011年4~6月期の営業利益をみると、モバゲーを運営する〔株〕ディー・エヌ・エーは158億900万円で、前期比100%、グリー〔株〕は97億8900万円で同119%となっている。〔株〕ミクシィは3億3800万円で前期比56%と大きく減少しているが、これは東日本大震災の影響で広告が大きく減ったため、広告収入を主な収益源とするミクシィにより不利に働いたと考えられる(各社ホームページのIR資料による)。そうした要素も加味すれば、ソーシャルゲームの市場は大きく成長しているといえる。
更新:12月22日 00:05