2017年08月17日 公開
2023年03月23日 更新
スケジューリングのムダを省き、効率的に時間を使うには、タスクを3種類に分けて管理することをお勧めします。
一つめは、事務作業など自分だけで進められる「処理業務」。二つめは、企画書の作成や営業計画の策定など、じっくり考えて答えを出す「考察業務」。三つめは、会議や商談、移動時間などの「拘束業務」です。
拘束業務はクライアントや他部署が関わるタスクなので、自分一人ではコントロールできません。一方、処理業務と考察業務は自分でコントロールが可能です。よって時間管理をする上で重要なのは、拘束業務をブレイクダウンし、処理業務や考察業務に分解することです。
たとえば「商談」のアポイントが入ったら、それを分解してみます。すると、「プレゼン資料作り」などの考察業務や、「前日のリマインドメール」などの処理業務が含まれているとわかります。さらに「資料作り」を分解すると、「表紙と目次を作る」「図表を用意」などの細かいタスクに分けられます。
ここまで分解した上で、拘束業務の合間に処理業務や考察業務をスケジューリングすれば、時間をムダなく活用できます。一つの業務を小さく分ければ、「表紙と目次だけなら、15分でできる」などと所要時間を想定しやすくなり、スキマ時間で片づけられます。また、小さくて簡単なタスクなら、複数を同時に進めることも可能です。コントロール不可能な拘束業務も、処理業務や考察業務にブレイクダウンすれば、タイムマネジメントがしやすくなるのです。
なお、対外的なアポイントはなるべく同じ日にまとめて、「内勤日」と「外勤日」を明確に分けてメリハリをつけると効率的です。1日の中でタスクの性格がコロコロ変わるより、「今日は人と会う日」「今日はオフィスで事務処理の日」と決めて、ひたすらそれだけをこなすほうが目の前の仕事に集中できます。
また、考察業務の時間をあらかじめ確保しておくと、緊急時の代替としても役立ちます。私は一週間のうち数時間は、中長期の戦略を練ったり、計画を立てたりする時間を作っています。仕事が予定通りに進めばそのまま考察に使えるし、クライアントから急な依頼が飛び込んできた場合などは、考察の時間で代替えすれば対応できます。
あるいは、インプットの時間や、デスク周りを整理する時間など、いざという時のバッファになる時間をあらかじめスケジュールに入れておくのも有効です。予定を立てたのに、急なタスクが飛び込んできて残業に……という事態を回避するには、その時間をあらかじめ織り込んでおけばいいのです。
また、スケジュールをチームや会社で共有しているケースは多いと思いますが、ぜひ家族でも共有することをお勧めします。「木曜は息子が十九時まで塾だから、今日は自分が迎えに行けるな」などと瞬時に判断できて、退社後の時間も家族のために有効に使えます。また、「次の週末は家族で旅行する」などとプライベートでも「拘束業務」を入れてしまえば、残りの時間で仕事を片づけようという意識が高まるはずです。
《『THE21』2017年8月号より》
更新:11月23日 00:05