2016年10月08日 公開
2023年05月16日 更新
新日本プロレスをV字回復させた「100年に一人の逸材」・棚橋弘至。何事にも全力で組織をも変えた、その生き様は従来のプロレスファンのみならず、さまざまな人から支持されている。この企画では読者の皆さんからお寄せいただいたお悩みに、棚橋選手がお答えする。《取材・構成=村上敬、写真撮影=永井浩》
Q1 金融機関で働いています。今の仕事はやりがいがありますが、とてもハードで、毎日のように早朝から深夜まで仕事漬けです。日常生活の中で体力をつけるための方法があれば、教えていただきたいです。
疲れにくい身体を作るために、一番大切なのは食事です。「食」という字は、「人」に「良い」と書く。これは『仮面ライダーカブト』に出てきたセリフですが、僕も心からそう思います。身体は口に入れたもので作られるのだから、まずは身体にいいものを食べないとダメ。忙しい人は食事を抜いたりジャンクフードで済ませがちですが、それではハードワークを乗り切れないと心得てください。
身体にいい食べ物はたくさんあって、それらをバランスよく摂ることが大切ですが、あえて一つあげるならプロテインでしょう!
プロテインは筋肉を作る飲み物というイメージを抱いている人が多いかもしれません。それも間違いではないですが、プロテインにはビタミン、タンパク質、ミネラルなど、普段の食事で不足しがちな栄養が豊富に含まれていますから、サプリメントより効率よく栄養が摂れます。
騙されたと思って、まずは3カ月間飲み続けてみましょう。内臓など人体はアミノ酸で再合成されているのですが、3カ月飲み続けると体細胞がすべて入れ替わって、むちゃくちゃ元気になります。肌や髪にもいいから、女性にもお勧めです。ちなみに最近のプロテインは、味もかなり良いですよ。昔は粉っぽくてイマイチでしたが、今は普通に飲み物として美味しい。家に、プロテインが出る蛇口があればいいのに、と思うくらいです(笑)。
食事については、量のコントロールも重要です。多くの日本人は、朝は小食、昼は普通、夜は豪勢という三角形型の食事をしています。でも、これは逆にしたほうがいい。ホントは朝しっかり、昼普通、夜は少なめという逆三角形が理想です。
理由は三つあります。まず一つ目は、朝しっかり食べることで1日元気でいられるから。二つ目は、夜が小食だと寝ている間にお腹が空いてきて、朝すっきり目が覚めるから。そして三つ目が、体脂肪が減って身体のキレが増すからです。朝少なめ、夜多めだと、夜に摂取したエネルギーを使い切れず、体脂肪として蓄えられていきます。1日で同じ量を食べるなら、朝を多めにしたほうが痩せるのです。
お酒を飲む人は、とくに注意したほうがいいです。お酒のカロリーは血糖値を上げないので、飲んでも満腹感がありません。その結果、すでに十分にカロリーを摂っているのにラーメンを食べたりしてしまう。お酒は飲んでもいいですが、つまみは枝豆や冷奴、あたりめなどといった居酒屋メニューにしておいたほうが無難です。
食事に気をつけていれば、徐々に疲れにくい身体になっていくし、疲れても寝れば元通りになる回復力もついてきます。体力の上積みをするのは、それからでいい。
体力の上積みにはトレーニングが必要ですが、忙しい人はジムに行く時間がないかもしれません。その場合は、無理せずできるところからやりましょう。たとえば駅ではエスカレーターを使わずに階段を使ってみる。休憩時間にストレッチをして、デスクワークで使わない筋肉を動かしてあげる。そうした工夫をするだけでも体力の上積みが期待できます。
それをクリアして本格的なトレーニングをしたい人は……。僕の筋トレ本『棚橋弘至の100年に1人の逸材BODYのつくりかた』を参考にしていただければ幸いです(笑)。
更新:11月21日 00:05