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誰でも斬新なアイデアを生み出せるようになる方法とは?

2016年09月07日 公開
2023年05月16日 更新

木村尚義(創客営業研究所代表)

『THE21』を英語で説明してみると……

「身の回りのものを苦手な言語で説明する」ことも、物事を抽象化し、異なる角度から見るラテラルシンキングのトレーニングになります。
たとえば、英語が苦手な人なら、この雑誌『THE21』を英語で説明してみてください。

語彙が足りず、正確に説明するのは難しかったかもしれませんが、そうして出てきた言葉は、日本語で考えていたときには気付いていなかった本質を言い当てていることが少なくありません。それが、発想のヒントになることはよくあります。

たとえば、「ビジネスマン パワーアップ マガジン」といった片言の言葉でも十分。そこから、「他にもビジネスマンのパワーアップに役立つものが提供できるのでは?」といった発想が浮かんだりします。
すると、「ドリンク剤やプロテインを付録につける」「スポーツジムの無料体験ができる」といったアイデアが浮かんでくるわけです。物

事を異なる角度からとらえるクセをつけるには、「仕事で重要だと考えていることを、あえてやめたら、どうやってカバーするか?」を考えても良いでしょう。

たとえば、営業の仕事をしているなら、「客先訪問を一切やめたとしたら、どのようにカバーするか」と考えてみるのです。すると、「テレビショッピングのように、公共の電波を使って一斉に『営業』する」「毎日電話をして、サポートする」などと、新たなやり方が見えてきます。

商品やサービスでも、重要だと考えているものを外してみることで、面白い発想が浮かぶことがあります。格安航空キャリアのはしりであるサウスウエスト航空などは、その好例です。航空機では当たり前だった指定席をやめて、先着順の自由席にしたり、機内食をなくしたりすることで、低価格の運航を実現したわけです。

 

アウェイな場所にわざと身を置いてみる

多面的な視点で物事を見るためには、「今の仕事や環境からいったん離れてみる」ことも大切です。ずっと同じ仕事をしていると、必ず思考が固定化されてくるからです。

環境を変えるためには、本当はパソコンやスマートフォンを一切持たず、2週間ぐらい海外旅行でも行くと、固定化された思考がリセットされるのですが、そこまでの余裕がある人は少ないでしょう。

そこでお勧めなのは、「アウェイな場所」に行くことです。「超一流ホテルのラウンジでコーヒーを飲んでみる」「見知らぬ街の赤ちょうちんに一人で入ってみる」「格闘技道場に体験入学してみる」など、ハードルが高いと感じている場所ならどこでも構いません。

アウェイに行くと、「この場をなんとかして切り抜けよう」という生存本能が働くのか、頭がフル回転してきます。すると、思考がリセットされるでしょうか。仕事でも、今までと違った発想が思い浮かぶことが少なくないのです。

 

《『THE21』2016年8月号より》

著者紹介

木村尚義(きむら・なおよし)

〔株〕創客営業研究所代表取締役

1962年、東京都生まれ。流通経済大学卒業後、ソフトウェア開発会社を経て、OAシステム販売会社に転職。パソコンショップ運営に当たり、ラテラルシンキングを活用して、売上げを5倍にした。その後、外資系IT教育会社にて研修に携わり、数多くの研修を展開。これまでに3万人以上の受講者を指導。現在、常識の枠外に発想を広げるビジネススタイルを「創客営業」と名づけてセミナーを実施中。近著に『NOロジック思考』(KKベストセラーズ)がある。

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