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「間違いだらけの食習慣」を見直し、若く健康な身体を手に入れよう

2016年07月14日 公開
2023年05月16日 更新

南雲吉則(ナグモクリニック総院長)

 

野菜や果物は皮まで丸ごと食べる

 依存性はなくても有害なモノもある。その筆頭がトランス脂肪酸だ。南雲氏は「狂った油」と呼んでいる。

「これは植物油を人工的に変性させた不飽和脂肪酸です。マーガリンはこの油で作られたもので、カビも生えず、アリもたかりません。自然界の生物はトランス脂肪酸を食べ物だとは認識しないのです。人間が食べると脳の組織が変質し、思考能力の低下や停滞が起こります。

『オメガ6』の油も避けるべきです。この油には炎症促進作用と血液凝固作用がありますから、血管が傷むうえに血がドロドロになります。動脈硬化や脳梗塞などを招くのは明らか。さらに、膠原病やうつ病の原因にもなります。

 オメガ6の油の代表格はサラダ油です。市販のドレッシングにも入っていますから、冷蔵庫の中にあれば、今すぐ処分していただきたいと思います」

 一方、オメガ6と逆の作用をする「オメガ3」の油は、ぜひ積極的に摂るべきだと勧める。

「エゴマ油、亜麻仁油など、オメガ3の油は血液をサラサラにします。毎朝10g、スムージーやコーヒーに垂らして飲むといいですね。

 私は毎朝、手のひらに窪みを作ってエゴマ油を溜め、それを口に含んでいます。1回で約5gなので、2回で10gになります。このときにエゴマ油で口の中をすすぐと歯周病菌を洗い流せますし、黄ばみを落として歯を白くする効果もあります。

 そして、そのままエゴマ油のついた手で顔をマッサージすると肌もきれいになります」

「ホールフード(完全栄養)」という考え方に基づく食べ方も、良い習慣として勧める。

「野菜や果物、穀物は、できるだけ皮ごと食べましょう。植物の皮にはポリフェノールが多く含まれているからです。

 ポリフェノールは抗酸化作用があることで有名ですね。有害な食べ物やストレスによって発生した活性酸素の活動を抑制してくれます。加えて、炎症や潰瘍を速やかに治す創傷治癒作用、細菌やウイルスから身体を守る抗菌作用もあります。

 リンゴはもちろん、モモ、キウイ、ミカンなども皮ごと食べると良いでしょう。根菜も同様です。ゴボウは表面の土を洗い落としたあと、そのままあく抜きせずに調理することをお勧めします」

 食習慣以外では、「早寝早起き」を奨励する。

「私は毎晩、10時までに布団に入ります。6時間眠って、起床は朝の4時。そこから5時間は、完全に自由な、自分のための時間です。知識を取り入れたり、アイデアを練ったり、文章を書いたりして過ごす、大事な時間です。9時から6時までは仕事に没頭。仕事を終えたあとは夕食を早めにすませ、翌日に備えます。この生活サイクルだと、健康的にハイパフォーマンスを出し続けることができます」

 

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著者紹介

南雲吉則(なぐも・よしのり)

ナグモクリニック総院長

1955年、東京都生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。東京女子医科大学形成外科、癌研究会附属病院外科、東京慈恵会医科大学第一外科乳腺外来医長を経て、ナグモクリニックを開業。東京慈恵会医科大学をはじめ、数々の大学で教壇に立つ他、テレビ出演、セミナーなどでも活躍。近著に『なぜ、一流の人は「集中力」が1 日中続くのか?』(KADOKAWA)などがある。

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