2016年05月31日 公開
2022年07月19日 更新
雑談から安心感が徐々に増していけば、相手の価値観や考え方といった、深い部分を知る対話もできます。
この段階で必要なのは共感。多くの人が誤解しているのですが、共感と同意は別物です。「私もそう思う」ではなく、「あなたがこう思っているように、私には見える」と理解を示すのが共感です。
「わかってもらう」ことは、人間の根源的なニーズ。これを満たすには、相手の言葉から「なぜこの人はこの話をするのか」と考えることが不可欠です。
たとえば、雑談で自慢話や愚痴を延々と続ける人は「認めてほしい」と望んでいるのでしょう。内容に耳を傾け、何を認めてほしいのかを考えること。
部下への不満を語る相手から、「~さんは、部下への愛情を知ってもらいたいのでは?」と推測したのであれば、そのまま質問しましょう。それが間違っていても、相手の感情に目を向けたことで、会話は深まるはずです。
雑談でこうした関係を築くと、こちらの言葉が驚くほど相手に伝わりやすくなります。上司から部下へのアドバイス、営業から顧客への提案などもスムーズに進むでしょう。そして最終的に、互いに満足できる、実りある結果を生み出せるのです。
『THE21』2016年5月号より
取材・構成 林加愛
更新:11月24日 00:05