2015年12月12日 公開
2022年06月14日 更新
一つの文がつい長くなってしまうのは、「自信がない」ことの表われと考えられます。自信がないから躊躇して、否定的な接続詞やあいまいな言葉を連ね、長くなってしまうのです。「自信がない」といった「マインド」の問題も、第一印象に大きく影響を与えます。
では、何に対して自信を持てばいいのかというと、「自社の商品やサービスがお客様の役に立っている」ことに対する自信です。
営業の電話をかける人の多くが、「自分は役に立たないものを、高い値段で、無理に買わせようとしているのではないか」と罪悪感を抱いていますが、これは大きな勘違いです。
本当に役に立たない商品やサービスなら、自然淘汰されてすでになくなっているはずです。今も存在するということは、お客さまに支持されている証拠。そこにまずは自信を持ってください。
ここで注意したいのは、自社商品やサービスに自信を持つということは、必ずしも商品やサービスについて詳しくなることではないということです。
「もっと商品のことを勉強してから電話したい」と言う新人の方や、テレアポで商品知識を話したがるベテランの方がいらっしゃいますが、最初の電話の段階では商品知識はさほど重要ではありません。
電話で商品の良さをいくら語っても、「この電話でよくわかった、もう十分だ」と相手は思うだけで、あなたに会いたいとは思わないでしょう。
テレアポで重要なことは相手に会う時間を取ってもらうこと。そのためには、「これは自分にとって役に立つ話だ」という印象を相手に与えることです。つまり、相手に明るい未来を感じてもらうことです
。そのためには、電話をかける本人が、「自社の商品やサービスが相手を幸せにする」と本気で信じていることが最強の切り札になるはずです。
もし、自社の商品やサービスに自信が持てないのなら、社内に蓄積されているはずのお客様の声に改めて目を通し、自信を持つところから始めていただきたいと思います。
自社の商品やサービスがお客さまの役に立つという自信を持ったうえで、電話をかけるときに意識したいマインドがあります。
じつは、テレアポで失敗する人の多くが、「いきなり電話をかけたら嫌がられるのではないか」「忙しい相手にとって迷惑なのではないか」という気持ちで電話をかけています。こうした後ろ向きな気持ちも、相手は敏感に察知します。
テレアポでは、「自分が持っている貴重な情報を、一刻も早くお客様にお伝えしたい」という気持ちで電話をかけることが大切です。
「自分には貴重な情報提供の使命がある」。そうした気持ちで電話をかけることで、役に立ちたいという気持ちごと相手に伝わり、相手に良い印象を残すことができます。
どのような「声」で話すかも、第一印象を決める重要な要素です。テレアポに関しては、高い声で話すとよいと言われることがありますが、声の高さは関係ありません。
大事なことは、明るい声で話すことです。テレアポとは、「商品やサービスの普及を通して、お客さまの未来を明るくする営業活動の入り口である」と考えれば、声の明るさでお客さまの明るい未来を連想させることが大切だと言えます。
明るい声を出すには、逆三角形の口元を意識しましょう。「大好き」と言えば、口が自然に横に広がります。その口元で話すようにすれば、どんな声帯を持つ人でも、その人にとって一番明るい声が出るはずです。
また、話すスピードは、相手のペースに合わせるのが基本です。ゆっくり話す人に対してはゆっくりと、早口で話す人に対してはテンポよく話します。
電話での第一印象を決める「トーク」「マインド」「声」についてお話ししてきました。この三つの要素を意識すれば、電話での第一印象を良くすることができるはずです。
《『THE21』2015年12月号より》
更新:11月22日 00:05