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「迷わない」ためにモノを絞り込む整理術

2015年10月10日 公開
2015年10月15日 更新

村上太一(リブセンス社長)

本当に必要なものだけ「厳選」すれば頭は一気に冴えてくる!

大学在学中に株式会社リブセンスを起業し、史上最年少で東証一部上場を果たした村上太一氏。その私生活は極めてシンプルで、厳選した最低限のものしか持たない。その理由は「迷わない」ことだという。気持ちよく仕事に集中する環境を作る村上氏の整理術について、本日発売の『THE21』11月号「整理術特集」から抜粋して掲載する<取材・構成=塚田有香/写真撮影=まるやゆういち>

 

同じブランド・色の靴下に統一する理由

ワイシャツはすべて白、靴下はバーバリーの黒で統一。靴も数足のビジネスシューズを順番に履く――このように徹底した持ち物の厳選を行なっている村上太一氏。その理由はなんなのだろうか。

「そのほうが迷わなくてすむし、効率的だからです。たとえば、靴下をすべて同じブランドの同じ色で揃えておけば、片方に穴が空いても、引き出しからどれか一枚取り出せば、ちゃんと左右セットの一組になる。左右一組ずつ管理するより、手間がかからなくて楽なんです。
ちなみに、毎日の行動の中にも、決めていることがあります。たとえば、ランチはほぼ毎日同じもの。社員と一緒のときはステーキのお店で千円のメニューを、社外の方と一緒のときは中華料理店で日替わりランチを食べる。そう決めておけば、『今日は何を食べようか』と迷う必要がありません」

 

資料はデータ管理が基本

オフィスのデスク周りも、すっきり片づいている。

「デスクの上には、ほとんどものがありません。置いているのはパソコンと電話くらいです。
 引き出しの中に書類が溜まってしまうこともありません。ほとんどの情報はデータで管理するし、紙で残したい書類があれば秘書に保管してもらう。決算説明会や役員会で使う資料は、見返す機会が多いのでデスクの引き出しに入っていますが、それだけなら量も限られます。
 名刺は『Eight』というアプリで管理しています。もらった名刺をスマホで撮影してデータ登録し、紙の実物は秘書へ。だから手元に紙のものが溜まることがないんです」 

こう聞くと、「紙の資料を使う機会が少ないIT業界だからできるのでは」と思うかもしれない。だが村上氏はこう提案する。

「私がもし紙を多く扱う業界で働いていたら、保存すべきか捨てるべきかすぐに判断がつかない資料をとりあえず置いておくスペースを作ります。デスクとは別にロッカーや段ボール箱を用意して、そこへ放り込む。これなら、少なくとも机の上は常にきれいな状態を保てます。

そして溜まった資料は半年に一度くらい見返して、いるものといらないものに分ける。その場で判断がつかなければ保留にしておいて、時間がある時に取捨選択する。それが最も効率的じゃないでしょうか。

私も普段Evernoteで管理している情報を、年に一度か二度見返して整理していますが、ものにしろ情報にしろ、時間を置くと要不要が判断しやすくなります。半年経って、その間に一度も使わなかったら、さすがに『これは必要ない』と判断できるでしょう。これを定期的に繰り返していけばいいだけです」

 



村上氏の、社長室のデスク。PCと電話という必要最低限のもののみ置かれていて、実にシンプル。ケーブルをまとめておくのも、見た目をスッキリさせたいことからのこだわりだそうだ。


引き出しの1段には、大量のビーフジャーキーとナッツ類。糖質制限中なので、夜に小腹がすいたとき、おやつにするのだそうだ。こんなふうにおやつを引き出しにストックしておけるのも、使わないものや不要な書類などがなく、ものを厳選しているからこそ。

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著者紹介

村上太一(むらかみ・たいち)

株式会社リブセンス代表取締役社長

1986年、東京都生まれ。2002年、早稲田大学高等学院入学。高校在学中に起業準備を始め、簿記2級とシステムアドミニストレータの資格を取得。05年、早稲田大学政治経済学部経済学科入学後、「ベンチャー起業家養成講座」を受講し、ビジネスプランコンテストで優勝。06年に大学1年生にして㈱リブセンスを設立。09年大学卒業。11年に東証マザーズ、12年に東証一部に、ともに史上最年少で上場。

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