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<プロの出張術>いつでも即座に「仕事モード」に!

2015年06月06日 公開
2023年05月16日 更新

上田渉(株式会社オトバンク代表取締役会長)

今すぐ集中モードに入るための7つのコツ

1 デスク上の定位置をどこでも再現する


普段と同じ環境を再現するための一番のポイントは、仕事のツールを「定位置」にセットすること。上田氏はオフィスではいつも、目の前にパソコンを、その左手前にスマートフォンを、左手奥に外した腕時計を、右手奥に飲み物を置くのが定位置(写真)。そして、新幹線であれカフェであれ、椅子に座ってテーブルに向かったらまずこのセッティングを行なう。すると、意識が仕事モードに切り替わり、いつもどおり効率的に仕事ができるのだ。

2 プリントアウトはコンビニのサービスを活用


今では、出張先で気軽にプリントアウトする仕組みが整ってきている。上田氏がよく使うのは、セブン‐イレブンの「ネットプリント」サービス。パソコンからネットプリントのサイトにアクセスし、ファイルを登録すると8桁の予約番号がもらえる。あとは店頭のコピー機に予約番号を入力し、出力すればOK。このサービスがないコンビニでも、USBメモリにデータを入れて持ち込めば、コピー機で出力が可能なところが多い。

3 新幹線は最前列・窓側の席を選ぶ


新幹線では、電源コンセントのある席を選ぶのが絶対条件。東海道新幹線であれば、N700系の窓側および最前列最後部の席すべてに電源コンセントがある。上田氏がよく使うのが、最前列の窓側席。椅子の前のスペースが広めなので足を伸ばせるし、テーブルも他の席より大型で、前の人を気にせずにパソコン作業もできる。ちなみに新幹線の揺れがひどいときは、ノートパソコンを膝の上に置くと安定する。

4 雑音が気になる時は「集中できる音楽」を聴く


新幹線やカフェだと、周囲の雑音が気になって仕事に集中できないという人もいるだろう。そこでお勧めなのが、「この曲を聴いたら集中できる」という音楽を作っておくこと。上田氏の場合は、バッハやリストなどのクラシック音楽。これをスマートフォンに入れて持ち歩き、集中したいときにイヤホンで聞く。メール処理など簡単な作業をするときは、オーディオブックを聴くことも多い。新幹線や飛行機などの長い移動時間を有効に活用でき、片道で1冊読み切ることも可能だ。

5 個室のカラオケをオフィス代わりに使う


長時間腰を落ち着けて仕事をしたいとき、カフェだと長居しづらいこともあるだろう。そんなとき、上田氏がたまに利用する場所があるという。それが「カラオケボックス」だ。昼間なら安い料金で個室が使えるので、集中したいときにぴったり。最近はWi-Fiを備えたカラオケボックスも増えているので、ネット環境も問題なし。ドリンクバーもあるし、電話一本で軽食も頼むことができる。意外な穴場だ。

6 アロマオイルで、ホテル滞在を快適に


ホテルで快適に過ごすために、上田氏は「匂い」を活用しているという。好きな柑橘系の香りのアロマオイルを持っていき、ティッシュなどに垂らしてデスクやベッドサイドに置いておく。あるいはホテルで仕事をする際は、アロマ対応のUSBを使うこともあるそうだ。パソコンに差し込み、アロマオイルを垂らすと、熱で温められて香りが広がるというものだ。ホテルの部屋の匂いが気になるときにもお勧めだ。

7 せっかくの出張を最大限に楽しむ


時間を効率的に使うことも大事だが、せっかく来たのだから「空き時間を楽しむ」ことも重要だという。上田氏は出張先で空き時間ができたら、ぶらぶらと散歩をしたり、ネットで近くに面白そうな場所やお店がないか調べて、足を運んだりするそうだ。そこから得た刺激が新たなアイデアを生むこともあるという。また、地元の名物を食べるため、自分で時間を選べるなら、あえて食事時に出張を合わせることもあるという。

<取材・構成 塚田有香 写真撮影 まるやゆういち>

著者紹介

上田 渉(うえだ・わたる)

オトバンク代表取締役会長

1980年、神奈川生まれ。東京大学経済学部経営学科中退。在学中から複数のNPOの立ち上げや起業に関わり、2004年にオトバンクを創業し、社長に就任。同社を日本最大のオーディオブック事業者に成長させる。2012年より現職。著書に『ノマド出張仕事術』(実業之日本社)など。

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